大切なことを学べる、怖いけれど優しい物語。

ちょっと違うかもしれないけれど「鰯の頭も信心から」という格言があったななどと思い出しました。

主人公にはゴミにしか見えなかったものが、お姫様にとっては「宝物」だった。

誰にでも、他の人には理解されないけれど「自分にとっては大切なもの」というのはあるのではないだろうか。

例えば「幼いころから持っているボロボロのぬいぐるみ」とか「卒業式に初恋の人から貰った第二ボタン」とか。

作者様は意図していないだろうけれど「多様性」ということを考える機会になる物語ではないかとも感じた。

この物語では「自分にとってはゴミ」でも「その人にとっては宝物」だったわけですが、同じような感じで「自分にとっては存在自体許せないほど嫌いなもの」であっても「他人にとっては大好きでかけがえのないもの」という場面にでくわすことってあるよなと。

だからこそ「自分には重要性がわからないから」とか「嫌いだから」とかで「粗略に扱ってはいけない」ということを学ぶのに良い物語なのではないかなと思います。

重要性がわからないのなら調べるなり他人に聞くなりして対応する。
存在が許せないなら見ないように距離をとる。

多様性を認めるとは「無理に受け入れる」必要はなくて、この物語のようにもし粗略に扱ってしまってもちゃんと「謝罪する」などの対応が取れるように「感情的」にならず「冷静さ」を保つことなのではないでしょうか。

感情的にならないというのはなかなか難しいことですけれど、お互い傷つかないよう心掛けたいものです。

以上です。
なんだか長い上に作者さまの意図するところとは全然違う受け取り方をしているのでしょうが……読者の中には変わった奴もいるのだなと笑ってくれると助かります。

ではでは、精力的に数々の物語を生み出しておられる想像力の豊かさにいつも感心しております。
これからも頑張ってください。