第24話
次の日、言う通りにフレズベルグ・ヨルデールさんがヨルデール帝国から留学生としてやってきた。
国賓という扱いにはなるが、あちらの王からあまり丁重に扱わず、みなと同じように接してほしいと頼まれているらしい。ってツクヨミ様が言ってた。
まぁ……。お調子者っぽいから丁重に扱われたら調子乗りそうだってことなのかもしれない……。
「およ、君は昨日の。アシュリーちゃんもAクラスだったんだ。貴族なの?」
「き、貴族ではないです……」
「じゃあ」
「精霊の愛し子だ。あまり危害を加えるなよ。死ぬぞ」
「噂の? へぇ……」
なんか変な視線……。
「……貴族じゃない私が話してすいません」
「そういうのじゃないよ!? ごめんごめん! 貴族かどうかなんて関係ないからね! ツクヨミ、この子結構卑屈?」
「まぁ……」
「否定はしないんだ。ふぅん。これが卑屈じゃないってなったらツクヨミのことを疑うところだったけど。まぁいいや」
フレズベルグさんは席へと戻っていく。
それと同時にチャイムが鳴り響いた。先生が入ってきて、授業が始まる。魔法学の授業で、先生は私が教えた魔法の原理をすぐに教えることはせず、今までの魔法のことを教えるという。
いきなりやるといきなり試してみるバカがいるだろうからって言ってたな……。やりそうなのはあのフレズベルグさん……。それ以外にもいるんだろうけど。
「先生、その理論だと他国でも魔法が使えないっすか。この国だけじゃないっすか、魔法使えるやつ多いの」
フレズベルグさんが異論を申し立てていた。
先生は鋭いといったような感じでフレズベルグさんを見ていた。
「この国で魔法が使えるやつが多い、俺の国とかではあまりいないのを見るに、魔法って精霊か何か絡んでるんじゃないっすか?」
「…………」
先生が困ったように私を見てきた。
魔法の原理はツクヨミ様も知らない。だから私だよりなんだろうけどやめてください。
ツクヨミ様もそういえばといったように考え始めていた。
精霊が関与していること、それは先生にしか教えていない。ほかの人も私のほうを見てきた。精霊といえば私ってことですか。
「もういいんじゃないですか先生……。どうなっても私は知らないってことで……」
「そうか……。わかった」
先生は仕組みを説明していく。
ツクヨミ様も初めて知ったのか、素直に感心していた。
「え、ということは僕も使える可能性あるってこと!?」
「あくまで可能性じゃ! そこを弁えろ!」
「やってみよー!」
やり始めやがった。
そして、運が悪いことに魔力を出したフレズベルグさんのもとに魔力を好む精霊がいたのか、精霊が魔力に食いついていた。
「……っ!? 離れてみなさん!」
「えっ!?」
「精霊さん! バリアを!」
その瞬間、激しい爆発が教室内で巻き起こる。
学校の一部が崩壊し、そのまま私たちは舌の教室へと落下していったのだった。教室壊れるの二度目……。
精霊さんたちがみなに障壁を張ってくれたからみんなにケガはない。フレズベルグさんも驚いたのか目を真ん丸くしていた。
「出来た!」
「じゃないわ馬鹿者が!」
「なんの精霊今の!?」
「火の精霊なんですが……。彼女は爆発魔法が好きらしく、彼のド派手にっていう意思を汲み取ってド派手に爆発を起こしたのかと……」
「お前本当に国に送り返そうかこの野郎!」
「ツクヨミ様言葉が悪くなってます」
「こういう者がおるから教えたくなかったのに……」
先生が嘆いていた。
騒ぎを聞きつけた先生たちが教室の惨状を見て私を見て来る。今回は私じゃないです。精霊が関与してるのは間違いないですけど。
私は火の精霊を呼びつけ、あの人に絶対魔法を使わせないでとお願いしておいた。不満そうだったけど素直にはーいと頷いた。
「もうあなたには魔法を使わせませんからね、フレズベルグさん……」
「えーーーっ!?」
「精霊たちにはもう言っておいたので……。面白半分でやらないでください……」
また教室が壊れた。また修繕に入るのか。
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