第20話
昨日のパーティが終わり、今日は学校。
筋トレをして、悩んでいるのが少しばかばかしくなった。精霊の支援だとかは今は考えないでもいいかもしれない。反精霊派の国王が動いたときにどうかすればいいかな。うん、そうだ。
学校に登校し、普段の教室ではない場所に移動する。
精霊のせいで壊れてしまった学級は今大掛かりな工事中で、Aクラスには別の教室が割り振られた。
そこで学ぶことになっている。今日はなんか教室に行ってから体育館に移動させられたけど。
体育館では先生がずらりと並び、一年生が並ばされている。貴族クラスだけではなく、平民の皆さんもいた。
全員なんだなんだと集められた理由がわかってない様子だった。
「全員揃いましたね! では、なぜ集めたのか、その理由を校長である私が説明いたします」
そういって校長先生が説明を始めた。
どうやら、今日は魔法が使えるかどうかの適性試験をやるらしい。
魔法は一般人でも使えることが最近精霊の話を聞いてわかった。
というのも、最近まで魔法は人間が火や水などに魔力を変換していたと思っていたが、それは違くて、全部精霊のおかげだったらしい。
私もシルフから聞いて驚いたんだけど、魔法というのは人間がそれぞれの属性の精霊に好む魔力を与えて、その礼として精霊が力を貸してるだけ。
だから選ばれた人以外でも魔法は使える。
それを知ってるのは私だけ。っていうか最近シルフに聞いた。
一人一人、並ばされ、それぞれ魔法を使えるかどうかの実験をしていた。
私の番がやってくる。精霊の愛し子、もとい精霊王の私に魔法が使えるのは至極当然だった。
私はちょっとだけ威力を抑えて火の玉などを放つ。
「さすが精霊の愛し子……。やはり愛し子はみな魔法を使えることが条件なのか」
「いや、精霊の愛し子は使えて当然です……」
「ほう? なぜ?」
「魔法に精霊が必要ですし……」
というと、魔法学を教えるブリッジ先生という人の目が変わった。
「魔法の仕組みが分かったのか!?」
「えっ!? あっ、最近、仲のいい精霊に魔法について聞いたので……」
「なんだと!? よし、あとで教えてくれ! 昼休みわしの部屋に来るがよい!」
「え、ええ?」
「なに、わしは精霊の愛し子の味方じゃ! 魔法について詳しく知りたいのだ!」
「はい……」
肩を揺さぶられ、私は少し脳震盪を起こしていた。
強く揺さぶらないでくださいおじいちゃん先生……。
「ブリッジ先生! 愛し子に何してるんですか!」
「おっとすまない! 感情がつい高ぶってしまっての。いやぁ、お恥ずかしい。それよりなんじゃが……。昼休み、魔法について聞くことになった。貴殿も来ないか?」
「えっ……魔法使いになれるんですか?」
「わからん。わしも本当の魔法の仕組みを聞いておらんからな」
「魔法が使えるようになれるんだったら聞いてみたいです! ほかの先生にも声をかけてきますね」
「ああ。こんな素晴らしいこと広めないわけにはいかんもんな」
と、先生たちがめっちゃ意気揚々とし始めていた。
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