第3話 魔活?
俺の赤ちゃん活動、通称赤活だな。
孤児院生活が決まっているもんだから、なるべく早く自由に動けるようになりたいと寝返りゴロゴロがんばっていたら、こんなに活発な赤ちゃんはすぐにでもハイハイしてあちこち歩き回りそうと言われ、王宮内では居なかったことにされてるエルリアーナ改め俺エルは、孤児院送りの計画が早まった。
なんてこったい。
寝返りしてもすぐにハイハイしませんよアピールのために、魔力量を上げようと魔力向上活動、通称魔活?を始めた。
いまさら手遅れかもしれんが・・・
女神フェルミエーナによると、基礎魔力量と成長限界というものがあり、個人差はあれど誰でも魔力を有し、成長とともに基礎魔力量は増大していく。
基礎魔力量と成長限界は二重丸のような関係で、
基礎魔力量は大人になるまで増大するから、成人年齢の15歳を目途に魔力量増大の訓練を済ませないとだな。
魔法の行使にあたって、女神はいくつかの安全装置を用意しており、そのうちの一つが基礎魔力量なのだ。
乳幼児は魔力量不足で魔法が一切使えない。
素養のある者は10歳前後で生活魔法レベル(火を付けたり水を出したりね)が使え、無い者は成人年齢ごろで使えるようになる。
この頃には自我もしっかりしてるから、魔法の取り扱いに注意をするだろう。
そして安全装置のもう一つが女神フェルミエーナの名を呼ぶことだ。
畏敬をもって女神の名を呼ぶことで、個人の体内にある(へその下あたり)魔力溜まりに干渉することができ、魔力操作や魔法の行使が可能となる。
女神を軽視する人や悪人とかだね、そういった人たちはフェルミエーナの名を呼んでも魔法の行使が出来なくなったりするらしい。
サイコパスみたいなナチュラルに悪事を働く人には効果が無いけど、魔法に使う必要魔力量は増大するから、使えても乱発出来なかったりするんだって。
過保護な女神はもう一つ安全装置を付けてて、それが知識だ。
無から有を生み出すのに魔力をたくさん使う傾向があり、魔法に造詣が浅い低年齢層では、【無】知から有を生み出すのにも魔力をたくさん使うことになり、知恵も物も何もないとこから魔法を生み出すには、とんでもない魔力量が必要になるってこと。
魔法を行使するのに安全装置をクリアし、魔力と知識をイメージに乗せ、持っている属性の魔法を放つ。
水場の付近ならその水を使って、水魔法はバンバンに打てるってことになる。
それで魔力量を増やすには、魔力溜まりに留まっている魔力を、極端に減らす事で少しずつ増大する。
単純に魔法をバンバン使えば魔力量増加、ってなるんだろうけど必要魔力量に満たない基礎魔力しか持たず、魔法が使えないジレンマが起きるのだ。成人前にしか使えない増やし方って訳。
そこで魔法を発動させずに増やす方法が魔力操作だ。
愚痴9割の会話から必要な情報を抜き取るのに苦労したぜ、これで魔力量を増やす訓練が出来そうだ。
まずは女神フェルミエーナの名前を呼び自分の魔力にアクセス可能にする。
「
この世界の女神様だし転生してくれた存在だからいつも感謝してるしね。畏敬の念はたっぷりあるはずだ。
おへそのあたりに意識を集中し、魔力を動かそうとさぐってみる。
魔力らしき塊は意識出来るけど、凝り固まっているのか動かし方がさっぱりわからない。聞ける相手も居ないし、なんなら喋れ無いしね。
お腹をさすったり、くねくね動いたりしてもちっとも動かない。
睡魔に負けたり、寝返り訓練したりとなんやかんや時は過ぎて、二週間も経ったころに漸く魔力操作が出来るようになった。
魔力溜まりの魔力を操作し、へそ以外の場所に移すことで疑似的に魔力枯渇状態を作り出し、そこから回復することで魔力量が増えてるはずなのだが、まるっきり実感は無い。疑似枯渇じゃ増加量は少ないのかもしれない。
でも魔力を動かしまくる練習にはなっているから、時間を見つけて訓練していこうと思う。
その頃には暴れん坊幼児の俺は、王宮から出されカタリナの家で暮らしていた。
まだ寝返り出来てないんだぜ、もぞもぞ動いてるけど寝返る詐欺状態なのに・・・
乳母をしてるカタリナには当然赤子がいて、名前をジェレイミという男の子だ。そうじゃないと母乳出ないしね。
俺が魔力操作をしようと「
「あだぁっ」
とか言いながらぺちぺちと俺を叩いてくる、体は我慢できるけど顔はやめてね。おくるみ防具の無いとこは集中途切れるし。
ちっとも泣かない子の俺は、むうーっとへの字口になりながら軽くぺちぺち返しをする。
遊んでくれていると思われてるのか、ジェレイミはすんごい笑顔でますますぺちぺちしてくる鼬ごっこになる。
摑まり立ちするくらいだから、ジェレイミは俺より1歳年上くらいかな?体格も二回りくらい大きい気がするし。
転生前は、転生直後の赤ちゃんプレイとかきっついなぁ。って思ってたけど、産まれてみたらあまり気にならなくなっていた。体に精神年齢が多少引っ張られてるのか、前世の記憶はあるけど個人情報はさっぱり無いみたいなんだ。
なので、授乳はオムツ交換されても恥ずかしいっていう感情が沸き上がらないのだ。心の底から赤ちゃんになってるかもしれない。
どこの誰かは思い出せないけど、四則演算とか物理法則とか学んだことは思い出せるが、どういう暮らしをしてたとか、家族構成はどうだったとかの記憶は無い。
転生時に女神が配慮してそうなっているのか、偶然欠けた魂が個人情報関係の記憶だったのかもしれないね。新生活で困らないから構わないけど。
女神の配信スペースで会話したことは、魂に記憶されてるからしっかり覚えてるけど、ぶっちゃけ思い出したくない。大半愚痴だし、大事なことだけ思い出したい。
なので俺の赤ちゃんアピールは、おむつ交換のときに「あー」とか「だー」って言いながらお腹をぽんぽん叩いてる、おむつまで手が届かないいんだ済まない。
カタリナがしっかり面倒見てくれているから、ミルク定期的に飲ませてくれているし不満はない。
あと夜泣きはしない。
むしろ夜中に目が覚めたら嬉々として魔力操作してる。ジェレイミの妨害も入らないしね。安心安全。
その時気付いたんだけど、俺は女神フェルミエーナの名を呼ばなくても魔力操作出来てる。
夜中に「
転生間際に、女神フェルミエーナが俺の少し崩れた魂を、女神の力で補うとか言ってた影響かな?
これは無詠唱魔術師の始まりか?!
ロマンが広がるね。
転生直後に周囲の会話が理解できたのは、この女神の力のおかげだったと今なら思える。言語理解は持ってないしすごく助かるから、女神には感謝しかないね。
産まれなかったことにされたのか、廃棄王子なのか分からないけど、言葉が理解できたのは助かったね。一から言語覚えなくてよかったし。
偶然とはいえチートと言える能力を貰ったからには、女神の神力を回復する活動を、自分なりに出来る範囲でやっていこうと思う。
魔力操作の訓練とジェレイミとの攻防とか、寝返りやお座り掴まり立ち訓練をこなしながら(出来るとは言ってない)数か月が過ぎたころ、俺の孤児院行きの日取りが決まったらしい。
その頃には俺がある程度言葉を理解していると判断し、カタリナもちょくちょく予定を話してくれるようになった。
生後半年を孤児院で迎えるように出立するらしい。
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