第27話 この世界の説明の回①(台詞少ないよ)
「夜人様、お待たせいたしました」
「麗お姉ちゃん忙しいのにゴメンね」
そう言いながら麗さんの対面に座る
麗さんは俺が御礼を言った事に喜んでいるのか、机に突っ伏してプルプルと震えているが・・・
この3年間で麗さんの性格もある程度は理解出来ているつもりだ
美人さんなのにチョロイン気質、強者なのに俺に対しては圧倒的弱者・・・それが麗さんだ
「・・・コホン、因みに夜人様が知りたい事とは何でしょうか?」
「え~と・・・何個かあるんだけど・・・昨日お母さんが僕にお嫁さんが増えるって言ってたでしょ?」
「はい」
「僕って何人のお嫁さんが増えるのかな?って・・・」
「あぁ、そういう事ですね」
理解したという風に納得した表情を浮かべる麗さん
彼女の話を要約するとやはり俺は最大15人の女性と結婚することが出来るらしい・・・
そして義務としては最低5人
しかもいつまでにという事が明確に定まっているらしい
先ず成人してから2年後の18歳誕生日までに最低1人
そして20歳までにはもう1人加算され最低2人
23歳までにはもう1人加算され最低3人
25歳までにはもう1人加算され最低4人
そして28歳までにはもう1人加算され最低5人となるそうだ
勿論、飽くまで最低5人なので18歳時点で5人いても何ら問題は無い
なんなら男が少ないこの世界では推奨されているまであるそうだ
そして問題の・・・もし婚姻数が足りていない場合だが・・・国から強制的に誰かと婚姻させられるらしい
なんでもスーパーコンピューター(?)みたいなのが有り、男の遺伝子情報から相性の良い遺伝子を選別しヒットした女性と婚姻関係を結ぶという事になるそうだ
ただ飽くまで遺伝子的な相性であり、人間性や性格、収入等は一切考慮されない
そういう意味で婚姻したものの夫婦関係が冷え込むパターンが多いらしい(まぁ此処は3歳に教える様に「喧嘩しちゃう」と言っていたが・・・詰まりはそういう事だろう)
更にこの世界では『離婚』という言葉は存在するものの、あまり一般的ではないとの事だ
離婚するためには裁判所以外にも色々な機関に申請処理がされ、全てに於いて承認がされた場合のみ可能であり、年に10組も無いそうだ
夫(男)が嫁(女)に愛想がつけば、離婚などせずに嫁の家には向かわないだけで良い
嫁(女)が夫(男)に愛想がついた時に『離婚』となるそうなのだが・・・嫁側が愛想を尽かせる事自体がそもそもナンセンスという認識があるそうだ
男が圧倒的に少ないこの世界で、男と結婚しているというのは一種のステータスであり、社会からの信用を得る事も出来る
結婚している女性は『数多い女性の中で選ばれた女性』という認識があるそうで、コレに関しては中々業の深い考え方だなと前世を知る自分は思ってしまった
因みに男から『離婚』を申請する事は出来ない
これにも理由があり、男が離婚をいう事が出来た場合は女側の地位を脅かされる可能性が高くなり、先ほどの話と同様に男女間の溝が深まる可能性がある
更に男に離婚された女性という認識が広まり信用を得る事も難しくなるためだそうだ
だからこそ男は離婚などせずに相手の家に行かないという手段を取ればいいとの事だ
「結婚したら家族なのに一緒に暮らさないの?」
「そうですね。居ない訳ではないですが基本的には男性側が女性側の家に行く事が多いですね」
此処で不思議に思った俺はそんな質問を投げかけてみるとそんな風に言われた
まぁ確かに・・・最低5人と結婚をし、同居するとなると5LDK以上の家が必要となる
子供が出来て成長したと考えれば・・・10LLDDKK以上??
そうなって来ると無用なトラブルの元になり易いし・・・夫婦間が冷え込んでいたら気まずいってもんじゃないよな
だから夫の住んでいる家付近に嫁側が住むという事が一般的だそうだ
・・・俺、この時点で結構お腹いっぱいだわ
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