第24話 お説教タ~イム


「「「・・・・・・・・・」」」


今現在俺は居た堪れない空気の中、正座はしていないが縮こまっている

理由は簡単、帰宅してきた母さんが月姉さんと麗さんから車内の報告を受けて絶句した後に俺ににじり寄っているからだ

それに伴って母さんを中心に両脇に月姉さんと麗さんが位置して俺を威嚇している・・・


いやいや・・・でもさぁ、俺の言い分も聞いて欲しい

今まで外に出た事も無く、異性と会ったのも最近の俺がどうやってこの世界の常識を学べば良いんだよ、と


これでも家に居る時はアニメよりもニュースとか観て、この世界の常識を学ぼうと頑張っている

それでも当たり前すぎる常識は報道されないし、知識も偏る

何を聞けば良いのか分からん状態の俺に、遊びに行く=結婚を前提に交際なんて図式が出来上がる訳がねぇ!!


「夜人きゅん・・・」


そんな俺の精一杯の逆ギレ(?)た感情は母さんが俺の名前を呼ぶ声で霧散しました

えぇ、霧散しましたとも・・・

きゅんって言ってるのに愛でる感情が一切感じられなければ、俺の心も折れる


「夜人きゅん、女の家に行くって・・・本当なの?」


「ま、まだわからない・・・けど」


「月と麗さんに女の家に行く事は結婚するって事だと聞いたわよね?それでも行くの?」


「・・・えっとそれだと行かない、かな」


「「そうよねっ!!」」


流石にそれだと行くつもりはない

確かに雪ちゃんは可愛らしいし、将来美人さんになるのは間違いない

ちょっと物怖じする様な性格だが個人的には嫌いではない


が、今結婚をとまでは考えられない

俺の目的は雪ちゃんの兄に会う事であり、雪ちゃんではないのだ


「でも・・・雪ちゃんに何て言おう・・・」


「そうねぇ・・・何処かのお店で会うのはどうかしら?相手にもお兄さんに会いたいと伝えているんでしょ?」


「うん・・・」


「だったら本人は兎も角、親御さんは夜人きゅんの意図を考えは理解出来るでしょうから嫌な顔はしない筈よ。」


「そうかな・・・」


こちらで勝手にかき回して申し訳ない気持ちになるが、確かにそれが最善だろう

雪ちゃんには申し訳ないが・・・そこは誠心誠意謝ることにしよう


「ただ、そうなると夜人きゅんの希望であるお兄さんには会えない可能性は高いけれどね。」


「やっぱりそうだよね・・・」


「まぁでも小学校に行く様になれば男の子にも必ず会えるでしょうから、気長に待つ事にしましょう」


「はぁい・・・」


男の子は基本的に小学校までは家から出ない

小学校になっても余程の理由がない限り外出しないと保育園に入りたがる時には聞いていた為、雪ちゃんのお兄さんが幾つかは知らないが可能性はやはり低いだろう・・・


因みに俺は今回の事に関しては母さんから許可を得る事は出来るだろうが・・・

まだ見ぬ一般的な男性に会うという夢(?)はまだまだ叶いそうにない


「これからは麗さんや月に確認しなさいね」


「はぁい・・・」


「じゃあ次は月からお話があるそうだから、私からのお話は御終い。」


え?


月姉さんからのお話があるの?!!

個人的には月姉さんが1番怖いんですが・・・そう思いつつ月姉さんの方へ視線を移す

すると何とも言えない表情の月姉さんが徐に一歩近づいてきた

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