第15話 どこの世界でも運動できる男はモテるよね?
「「「・・・・・・・・・」」」
お分かりだろうか?
帰宅してからの夕食後、俺は3人の前で自分の希望を伝えた
その結果が見事に全員からの無言と言う名の回答を得る事になったのだ
しかも3人が3人ともに呆然とした表情を浮かべている為、俺はまた何かやらかしたのか?と不安な気持ちをより加速させてくるのだ
「格闘技がやりたい」
俺が言ったのはただそれだけである
当初の予想ではそこから反対意見が噴出され、それを1つ1つ説き伏せていく予定だったのだが・・・まさかの全員無言である
「よ、夜人様は格闘技をしたいのですか?」
「うん」
「ほ、保育園はどうされるのですか?」
「週3日位行って、2日間位は格闘技を習いたい。勿論土日は母さんと姉さんと一緒に居るよ。」
「い、一週間の割り振りまで出来て偉いですね」
あ、3歳児で一週間が未だ分からないのかな?
けど神童とまでは祭り上げられるレベルじゃないだろうからセーフセーフ
「「ダメーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!」」
麗さんと話していると突如母さんと月姉さんから断固した反対意見が噴出してくる
「夜人きゅん!!格闘技は怪我するのよっ!!!辛いしキツイし汗臭いのよっ!!!」
「夜人くんが保育園にも行かずに知らない場所に行くなんてダメッ!!!ダメったらダメ!!」
「え~・・・でもぉ・・・」
「夜人きゅんはカッコいいのよ!!そんなカッコいい夜人きゅんが怪我したりしたら全世界の損失になっちゃうよ!!」
いやいやそれなりに整ってはいるだろうが全世界の損失は言い過ぎだろう?と内心でエアツッコミをいれてみる
だがまぁ、母さんの不安点としてはやはり俺が怪我したりしないかを不安視しているという事だ
「これ以上夜人くんと同じ空間に居れないのはダメ!!知らない間にもうじゅうにおそわれちゃう!!」
月姉さんに関しては俺との時間がより減っていくというのが反対の元だという事だ
2人とも想定範囲内の反対理由だな
「だったら僕が怪我しにくくって比較的安心な格闘技だったら良~い?」
「「グハッ!!!」」
フッフッフッ・・・必殺上目遣い
母さんと姉さんには必殺で勝利する特攻スキルを発動させる
すると2人は予想通り鼻血でも出そうな勢いで後ろに倒れる
「・・・夜人様は何故格闘技を習いたいのですか?」
そんなやりとりを行っていると麗さんは何を習うつもりかではなく、何故習いたいのかを聞いてくる
そしてその表情を若干憂いているからこそ、彼女はやはり頭が良いなと思ってしまう
「僕・・・強くなりたいんだ。強くなってお母さんや月お姉ちゃんや麗お姉ちゃんを守れる様になりたいんだ。」
「・・・男性は女性が守るもの、男性に守られる女性なんてこの世に居ませんよ」
「でも僕のせいでみんなが傷ついたりするのも嫌なんだ。僕が自分を守れたらみんなを守れるよね?」
「・・・・・・」
俺が言った理由は嘘じゃない
どちらかと言えば本音50%だ
(自分で自衛できる様になりたい50%、麗さんの負担をへらしたい30%、シュッとしてモテたい20%)
だが、麗さんは俺が彼女の負担を減らしたいと思っている事も見抜いている気がする
だからこそ多分、あの申し訳なさそうな表情なんだろうなぁ・・・
「だから僕は余りケガしなさそうな格闘技をしたい。それに習い事も月お姉ちゃんが帰ってくるまでには終わるのを選ぶよ。これだったらお姉ちゃんも心配ないよね?」
「・・・そんな格闘技あるの?」
息も絶え絶えに、辛うじて生還してきた母さんがそう言って尋ねて来る
「う~ん・・・分からないけど探してみる。」
正直、当たりはある
けれども俺が今そこまで言うと、余りにも辻褄が合わない為に敢えて黙って置く
それにこの世界にソレがあるかは分からないしな
「・・・有ります。」
そんな俺の代わりに麗さんは言葉を発した
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