第14話 保育園初日の感想
「夜人様、お疲れ様でした。」
「麗お姉ちゃんも有難う御座います。」
後部座席でグデッている俺に対して麗さんは運転しながら労ってくれる
・・・因みに月姉さんはグデる俺にもたれ掛かっている
「保育園はいかがでしたか?」
「あんなに人が居る場所は初めてだったけど、楽しかったよ。」
「お疲れになっていませんか?」
「初めてだったからチョットだけ。でも大丈夫だから。」
「夜人くんは登園する回数を少なくした方が良いと思うなっ!!」
「う~ん・・・因みにどれくらい?」
「はんとしに1回っ!!!」
「・・・月お姉ちゃん、それは少なすぎるよ。」
年2回って・・・流石にそれは許容しかねる
確かに疲労感が無い訳では無いが、それでも楽しかったという事実は間違いないのだ
「じゃあ1かげつに1回?」
「それでも少ないなぁ・・・麗お姉ちゃん、僕どうしたら良いかな?」
俺自身の願望で言えば平日は毎日行っても問題はない
身体は鍛えられるし、交友関係も広がる
それに暇つぶしにもなるのだからデメリットらしいデメリットは無いと言える
が、それは飽くまでも俺視点の話だ
母さんや姉さん、麗さんの視点で考えれば必ずしもそうであるとは言い切れない
先ず母さんからすれば稀少な男の母親だ
俺が家に居ない事により心配事は確実に増えているだろう・・・
そういう意味では登園の回数は減らすべきかもしれない
1番の懸念点が麗さんだ
彼女は基本的に俺に付きっきりだ
土日の母さんと姉さんが居る日は休みらしいが、俺が微熱出た日とか5分で駆けつけてきた為にゆっくり休めているとは言い難いと思う
俺が保育園に行こうとした理由の3%くらいは俺がキャッキャッしている間はゆっくりして貰おうという気持ちがあったのだが・・・影に隠れて護衛してくれていた状態を省みるとそれも出来ないみたいだ
それにMHCの偉いさんとの会議や俺の報告書の作成とかもしなければならないと思うんだけど・・・俺の前では一切しないんだよ
隙間時間でそういうのに時間割いて貰わないと過労死しないか割とマジで心配してしまう
姉さんは・・・まぁ嫉妬が激しくなる位だろうから実害は無いと思っている
だからこそ麗さんの希望に出来るだけは沿ってあげたいとは思い相談したのだが、返ってきた答えといえば
「夜人様のご希望通りにして頂いて結構です。」
その一言だけだった・・・
「でも麗お姉ちゃんも大変じゃない?」
「いいえ、私は飽くまでも夜人様の護衛官です。護衛官が護衛対象の行動を制限する事は本来してはいけないのです。」
「・・・・・・」
プロの流儀と言うか信条というか、麗さんにもそんな拘りがあるのだろう
これ以上の深堀りは3歳児としてはおかしな事になるだろうから黙っておこう
「う~~ん・・・」
マジでどうするべきだろうか・・・?
俺個人としては週2、3回位は保育園に行っておきたい
だがこれ以上周りに心配させる事自体も俺の本意でもない
「っっ!!!」
あれでも無いこれでも無いと頭を捻らせる中で妙案を思いついた
これであれば三方良し所か四方良しだ
デメリットは・・・姉さんがある位かな?
後はこの妙案をみんなに伝えて賛成して貰えるかどうかだけだ
俺はルンルンとした気分になりながら車に揺られて家路へ向かっていった
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