第13話 チョロイン爆誕っ!!!
姉さんが乱入してきて暫しわちゃわちゃとした時間となってしまったが、その間に給食が席に用意されていた
当初は俺だけ別室で特別メニューを用意するという話があったらしい
母さんが麗さんと話合っている中でそれを耳にした俺は急遽方向転換させるべく頑張って泣き落した
(お友達が出来なくなるとか1人で食べるのが寂しいとかだ・・・)
全く・・・何が哀しくて1人だけ皆と違う食事をボッチで食べないと駄目なんだよと内心で嘆息したのは内緒だ
とはいうものの、周りを見渡すと各々が給食当番の所に食器を持っていき配膳されているのを見ると誰かが俺の代わりにやってくれたのは明確だ
俺は自分の席につき、3人娘の顔を見渡し、誰が俺の分まで配膳してくれた犯人(?)なのかを観察する
「「「・・・・・・」」」
(あ・・・これ3人とも犯人(?)だわ・・・)
3人ともが褒めて貰えると期待してこちらにキラキラとした視線を向けて来るのだ
「あづみちゃん、蓮華ちゃん、雪ちゃんが僕の分もやってくれたの?」
「う、うん!」
「君のだからね、当然さ。」
「わわわわ私もです。」
うん、やっぱり予想通りだわ
「あづみちゃん、蓮華ちゃん、雪ちゃん、やってくれて有難う。でもこれからは僕も一緒にやるからね。皆で一緒に準備したりしようね。」
「「「・・・・・・」」」
俺がそう言ってニッコリ笑うと3人が顔を真っ赤にしてモジモジしだす。
この年頃の女児たちは素直で可愛い(ロリ以下略)
そうこうしているうちに頂きますの号令が終わり、給食を口につける
今日の給食はミートパスタ、コッペパン、パインサラダ、牛乳だ
俺自身は好き嫌いは無いので出された食事を美味しく頂く
「夜人くんは嫌いな食べ物はないのかい?」
「うん。僕は特に好き嫌いはないよ。」
「す、凄いなぁ・・・わ、私はトマトが食べられないの。」
「わわわわ私はピ、ピーマンがダメですぅ・・・」
「僕はどうしても南瓜がダメなんだ。それにしても・・・男の子は好き嫌いが激しいと聞いていたから意外だな。夜人くんは偉いんだね。」
そんな感じで班員と話していると先生がスッと立ち上がり、画用紙の束を持って壁側へ向かっていく
「あれは・・・朝のお絵描きかな?」
「そ、そうね。よ、夜人くん・・・私の描いた絵、後で見てくれる?」
「わわわわ私もみみみみみ見て欲しいですぅ」
「僕の絵も見てくれると嬉しいよ。」
「うん、勿論みんなの絵も見せてもらうよ。」
そんな事を言いながら3人娘との食事を楽しんだ
・・・やっぱり1人で食べるご馳走よりも皆で食べる普通の食事だな
◆
「・・・・・・・・・スゴイね。」
食事の後に皆の描いた絵を見て俺が発した第一声がコレだ
いや、みんな上手いわ
コレだと俺の絵が何を描いているのか識別出来ないのはある意味で仕方ないと納得できる
だが・・・俺が発したスゴイはその事に関してなんかじゃない
俺以外の全員、あづみちゃんや蓮華ちゃんや雪ちゃんだけじゃない
未だ話したこともない子も含めて全員が1人の男の子を描いていた
(これ・・・全部俺だよ、な?)
俺の外見は整ってはいるものの少しばかり特徴がある
先ず髪、この世界でも地毛は黒色や茶色の子が多いっぽい
母さんは茶色だし、麗さんは黒色だ
そしてモモンガ組のみんなを見渡しても同様で、黒色や茶色が多い事からも間違いないと思う
因みに姉さんは薄い茶色の髪色をしている
それに対し俺は灰色だ
どちらかと言えば黒色に近いかもしれないが黒色ではない
それに加えて目が薄紫色なので特徴的な外見だと言っても差し支えないだろう
・・・そして目の前にある男の子の絵は1つの例外も無く灰色の髪に紫色の目をしている
彼女たちの親族という可能性もない訳ではないが・・・可能性は薄いと言わざるを得ないだろう
「この絵の男の子って・・・」
「「「夜人くんだよっ!!」」」
うん知っていた
決して薄い可能性に賭けて確認した訳じゃない
「はは・・・みんな凄く上手だね」
確実に上手い俺の絵たちを前に俺はそう言うのが精一杯だった
いや・・・みんなチョロすぎない??
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