第9話 女の子って難解だわ・・・
「よろしくね。」
誘導された席は4人で1組で机を使う所謂班の様な机だった
先ずは同じ班の子たちと仲良くなっておきたい
そう思って軽く会釈しながらそう挨拶したのだが・・・
「「「・・・・・・・・・」」」
例によって同じ班の女の子たちは沈黙で回答してくる
いや、なんでやねん
新手のイジメなんかっ?!
無視する訳では無く、ガン見しながら言葉は返さないという高度なイジメなんか?!!
・・・流石に初日からこの対応は心にクルものがある
「え・・・と。」
「あああああ・・・ご、ごごごごごめんねっ!!!わ、わわわわ私は『蕗ノ
「ぼ・・・ぼぼぼぼぼ僕は『蛍ヶ丘 蓮華』っていうんだっ!よよよよよ宜しくねっ!!」
「・・・・・・わ・・・わたしは『香我美 雪』です。」
「あづみちゃんと蓮華ちゃんと雪ちゃん、宜しくね。」
良かった・・・どうやらイジメでは無かったらしい
蓮華ちゃんはショートカットで僕って言っていたから男の子かと思ったが、女の子っぽい独特の雰囲気が出ているから女の子なんだろう
それに男の子で保育園に行くのは俺が初めてらしいし・・・間違いない
まぁ彼女らからすれば兄や弟が居ないのであれば初めて見る男かもしれない
そう考えれば彼女たちも緊張している理由も理解はできる
そう思いなおして頭を切り替え様として彼女たちを見ると・・・
「お・・・おぉぉぉぉぉ・・・」
「イイ・・・これは・・・イイね。」
「わ、わわわわわ・・・」
うん、何か知らんが三者三様に動揺しているのが見て取れる
「え・・・と、皆どうしたの?」
「「「っ?!!!」」」
え?何?
俺何かしちゃいました?(リターン)
だがそんな俺の悩みは杞憂だったみたいだ
「だ、だだだだだだ大丈夫よっ!!夜人くん、よろしくね!!」
「うん、僕も君とは末永い付き合いをしたいと思っているよ。こちらこそ宜しく。」
「わわわわ私も頑張りますっ!!宜しくしてくださいっ!!」
ハッと我に返ったかの様に3人ともそう返事をしてくれる
うん、突然男が話しかけたらそうなるよね
軽率だった自分の態度に内心で反省をし、彼女らとは良い友達付き合いができそうだなぁ・・・とノホホンと考えていた
・・・そう、俺は未だこの男女比1:10の世界をちゃんと分かってはいなかったんだ
◆
「はいじゃあみんなっ!今から朝の運動をしますのでグランドに出ましょうね~!!」
自己紹介が終わったタイミングで朝の運動が始まる様だ
先生の号令の元、みんな立ち上がり運動帽を被りだす
俺もみんなに倣い、バックから運動帽を取り出して頭にかぶる
因みに我らモモンガ組さんのキャップの色はピンク色だ
みんなの後をついていき、運動場に出ると大きな円になり音楽が流れだした
あ、向かいの方に月姉さんが居た
目が合ったのでニコッと笑うと何故か急に慌てだした
うん?よく見ると月姉さんの周りに居る女児たちが膝から崩れ落ちだしたぞ?
『は、は~い!!それではクリウニックスの音楽に合わせて朝の体操を始めますよ~!!』
スピーカーから聞こえる先生の号令の直後にクリウニックスの軽快な音楽が流れだす
うん、ちびっ子達はクリウニックス好きだよな
俺も家で教育番組を見ていた時にはよく流れてて見てたわ
♪♪クリウニックスでクリウニックスでクリウニックスで踊ったれ!♪♪
体操の動きは教育番組のまんまで助かったわ
我ながらキレのある動きで体操出来ていると思う
そんな達成感を味わっていると音楽が鳴りやむと同時に月姉さんがドドドドドドドドドという様な擬音が流れそうな勢いでこっちに向かってきた
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