世の中の当たり前を切り取る
前回は『キャラクターが立つ』ということについてお話ししました。
本題に入る前に、最近この連載について思ってきてことがあるのですが、ここで一応断りを入れておくと、私はどこにでもいる高校生です(2023年現在)。
ただ漠然と作家を目指しているいわゆるワナビというやつですから、私のやり方や創作論をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
ただ、自分の考えを惰性で書きながら、これを読んでくださった皆様の一助になればという形で書いていますので、どうか、自身の一番合うやり方も探求していってくださいね。
さて、今回お話しすることは『世の中の当たり前を切り取る』です。
もっと具体的にするなら『物語にリアリティの出し方』ですね。
たくさんの作品が出版業界、そして小説投稿サイト等の業界にも溢れかえっている昨今、作品においての『リアリティ』というものは大変重要な立ち位置として扱われています。
リアリティを端的に言いますと「キャラクターや世界観の整合性」かなぁと自分は考えます。
つまり、矛盾の少ない物語がリアリティのある作品であり、それ相応に評価されるということ。
・キャラクターの行動原理から考える
物語にはキャラクターが登場します。あなたの書いている物語にも、あなたの好きな物語にも。
これは前回の話とも通ずる部分があるのかもしれませんが、そのキャラクターが作中でブレてしまっていると、読者は違和感を感じます。
単純な話、真っ先に敵に立ち向かう勇敢なキャラが、会敵した時に第一に逃げることを考え始めるとか。
よく見かけるのは、面倒ごとに巻き込まれることを嫌う主人公が、舞い込んできた面倒ごとに自分から首を突っ込むとか。
それが物語上のイベントを通して考えが変わっていたり、序盤に見せていた姿が偽りのものだったりしたら何ら問題はないのですが、たまに作者自身がそのキャラクターを把握できずにいて、無意識のうちに違和感のある行動をとらせてしまっているパターンがあります。
これは勿体無い。
意外と読者の方々はこれまで読んだ内容を覚えてくださっているのですよね。だからこそ、変な矛盾点は嫌でも目につく。
すると、一気に作品の世界から意識が現実に引き戻され、俯瞰して読まれるハメになってしまう。本当に勿体無いですよね……。
だからこそ、「この場面になったらこのキャラはどんな思考にいたって、どんな行動をするのか」を念頭に置いておくと良いかもしれません。
・世界観の設定から考える
次に、これはファンタジーやSFの作品でありがちなのですが、世界観の設定に違和感が存在するということです。
もちろん、これらの作品を書くとき、作者は現代を舞台とした作品よりも設定に気を使うと思います。実際私もそうです。
少し前にお話しした『ファンタジーは中世ヨーロッパでないといけないのか』というテーマでは、ドラゴンが出現する設定の場合、そいつらから身を守るために街や国が地下に存在するかもしれないという旨の話を書きました。
正直なところ、ここまで練る必要はないと思います。しかし、もし人を襲うドラゴンが蔓延る世界なのに、人類は1000年もの間奴らに対抗する術を持てていないだなんて前説が入ったとしたら、
「じゃあなんで今まで人類は生き残ってこれたねん!」
と読者から総ツッコミを喰らうことでしょう。
現代日本に例えるのなら、コロナが流行って死者数が莫大な数になっているのに政府は対策を全くとれていないだなんてことになりますからね。
その後に、多分チートな能力を持った主人公が無双するのでしょうけれど、世界観設定が主人公中心になってしまっている。だからこういう不都合が起きるわけです。
だからこそ、世界観を創り上げる時には「〜〜が起こったということはーーが起きるはず!」という因果の関係を考える必要があると思います。
今回は以上となります。
毎回思うのですが、やっぱり物語を書く際には「その物語が始まる前にも、人々は生活を営んでいるし、世界はそこに存在する」ということを、常に頭の片隅に置いておかないとなぁだなんて思います。
P.S. 今の所ネタのストックが減ってきたのと、新作を執筆する関係上、連載は不定期になると思います(多分しばらくは更新されません)。
こんな駄文であったとしても読んでくださっている方々には頭が上がりません。心の底から、ありがとうございます。
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