たとえ読んでくれる人がいなくても
前回はカクヨム甲子園についての話をしました。私の作品もいい結果を残せることを祈るばかりです。
さて、今回お話しするのは『たとえ読んでくれる人がいなくても』です。
一見しただけではどういうことかわかりませんが、簡単に言うと『作家になるために、カクヨムでのP V数は関係ない』ということです。
このカクヨムというサイト、実際さまざまなユーザーがいます。
その中には趣味程度で書いている人もいれば、あわよくばプロデビューしたいと考えている人もいるでしょう。
ここでの対象は後者、あわよくばプロデビューを目指している人です。
カクヨムで人気を獲得するためには、単純な構成力や文章力の他に、いかに読み手のニーズに合わせた作品作りができるかが大切です。
例えば、仕事帰りやちょっと暇な時にストレスフリーな話を読みたい人からすれば、ダークでヘビーな猟奇殺人ものは全く見向きにされません。
カクヨム、もとい小説投稿サイトでの作品のニーズはとにかくストレスフリーで読めるもの、ジャンルでいうところのファンタジー(異世界転移もの、ゲーム内転生もの)やラブコメになります。
内容もまちまちで、大体の流れは一緒でしょう。
だからこそ、レビューの星数などが多い作品の分析をして、キャッチコピーからタイトルまでを考え抜いた結果、投稿することが大事なのです。
しかし、プロとして大手レーベル等で出版している作家の方々の作品に、このようなどこにでも溢れているようなものはあるのでしょうか。
最近、小説の新人賞(今回の場合はライトノベル、ライト文芸)は、ありがたいことにカクヨムから応募できるようになっているものがある程度あります。
そのような新人賞に、満を持してカクヨムユーザー向けに作った作品を応募してみたとしたら、どうでしょう。
これは私の予想でしかないですが、いっても二次選考あたりまでかなと思います。ではなぜそうなるのでしょうか。
答えは簡単、そのように書いた作品には『オリジナリティ』が少ない、足りない場合が多いから。
第二回で、さまざまな小説の新人賞にオリジナリティを求める声が多々見受けられると書きました。
つまり新人賞は、すでに売れているジャンルの発掘ではなく、新たなジャンルを作り出すような作品を求めているのです。
例えば、ソードアートオンライン。今ではカクヨムのS Fジャンル等でもよく見かける、ゲーム内転生(転生というかは微妙かもしれません)というジャンルを作り出しました。
つまり、二番煎じや三番煎じは通用しづらいということです。
ましてやn番煎じな作品なんて、受賞するはずがありません。
もし、既存のジャンルの焼き直しのような物語で新人賞を受賞された方がいたとしたら、よほど話の魅せ方が上手いか、よほど運がいいかです。羨ましい……。
結論を言うと、カクヨムで人気になるような話と、新人賞を受賞するような話は全くもってタイプが違うということです。
もちろん、カクヨムで大人気な作品を生み出して書籍化するだとか、趣味程度で書いている人、とりあえずたくさん評価されたい人などはしっかりとカクヨムで『ウケる』話を考えなくてはなりません。
しかし、新人賞を経由するようなルートでプロ作家を目指すような人は、プレビュー数やレビュー数には目もくれず、自身の書きたいものを書いていくべきだと思います。
少なくとも、すべき分析はカクヨムで人気を出す方法ではなく、応募する新人賞の受賞作の傾向です。
ですので、たとえカクヨムの中で読んでくれる人がいなくとも、作家になる道は潰えていないということ。ぜひ、たくさん挑戦していってください。
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