オリジナリティって何?
第二回目となった今回、ついに私も創作論ぽいことを書く気になりました。
今回の題名は『オリジナリティって何?』です。
よく小説の新人賞などでは、他にない新しい風を吹かせるようなオリジナリティのある作品が評価されると言われています。
実際、新人賞のホームページに載っている編集者様などのインタビューではオリジナリティという語句が多々出現します。
でも、そもそもオリジナリティって何なのでしょう?
まだ世に出ていないような奇抜なストーリーのこと?
とにかく新しい何かってことはわかるのだけれど、具体的に何?
そこで今回話すことは『超個人的オリジナリティという概念』についてです。
・オリジナリティ=テンプレートに当てはまらない要素
まず、世の中の小説にはさまざまな「テンプレート」が存在します。
例えば、ネット小説界で無類の人気を誇っている異世界転生もの、そのテンプレートは「物語冒頭で主人公が死ぬ、そして、異世界に転生する」というものです。
もっと踏み込むなら転生先は中世ヨーロッパ(いわゆるナーロッパ)で、主人公はどこにでもいるような男子高校生でしょう。
異世界転生ものを書くとき、このテンプレートに当てはまれば当てはまるほどそこかで見たこと、つまり「既視感」のある物語になってしまいます。
例:主人公のレイトはどこにでもいるような男子高校生。
ある日、バイトの帰りに横断歩道を渡っていると、居眠り運転をするトラックに撥ねられ、死んでしまう。
目を覚ますとそこは異世界で、中世ヨーロッパのような風景。
街に赴き、冒険者としてギルドに所属し、エルフや獣人といった可愛いヒロインとともに異世界ライフを謳歌する。
上記した物語は、自分が一分ほどで考えたものです。これを読んだだけで「面白そう!」、「読みたい!」となった人はほとんどいないのではないでしょうか。
なぜなら、このストーリーには目新しさがないから。
新しいものがないということは、すなわち世の中に出回っているようなものだということ。それなら、似たような話で知名度の高い作品を人は選びますよね。
もし、今からこのテンプレに
ここで、そんな「テンプレート」を回避する方法とは何か。
単純明快、前述した「物語冒頭で〜転生する」の中にある要素を、別のものに変えればいいってことです。
例えば、異世界転生ものは主人公が転生することがお決まりです。そこを逆手にとって、転生者を受け入れる側のキャラクターを主役に据えたり、転生先を中世ヨーロッパとは別のところ(S A Oはゲームの中という当時では珍しい転生先でしたよね)にしたりと、要素を取っ替え引っ替えすることです。
あと、死んで転生するのなら、死に方にも創意工夫ができそうですよね(凄まじく不謹慎な話題ですが)。
なんらかの事情で主人公が異世界転生することになり、神様がさまざまなアプローチで主人公を殺そうとする。しかし、主人公は異世界転生なんてしたくないため、現実社会で迫り来る死を回避し続けるコメディとかも面白そうです(これはちょっと毛色が違いますが)。
しかし、ただ奇抜な要素に変えるだけでは上手くいきません。キャラクターの大前提として「読者がそのキャラに感情移入できるかどうか」というものがあります。
もし、若い読者を対象にする話を書くとなったときに年老いた老人を主人公にしたり、男性を主な対象にしているのにキャリアウーマンを主人公にするのは違いますよね。
確かに他にないような要素なのかもしれませんが、そもそもそれが読者のニーズに合っていないと、なかなか上手くいきません。
オリジナリティを出した作品が書きたいのならば、自分の作品と向き合いつつ「テンプレート」を外す意識をすればいいのではないでしょうか。
プラスα:テンプレを外すためにはテンプレを知ることが重要です。しっかりと、そのジャンルにおけるテンプレートを調べておいた方が良いかも。
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