超個人的創作論?

茂 幸之

決して作家になりたいわけではなかった

 まず初めに、創作論と聞いてこの話を開いた方、申し訳ないです。この話は創作論ではありません(この先それっぽいことはするかもしれないけれど……)。

 最初の話から自分語りでしかない題材なのですが、こういうことを書くことも楽しいのではと思い立って書き始めたものですから、許してください。


 さて、初手からスライディング土下座をかました私ですが、そもそも作家になる気がありませんでした(なるならないの土俵にすら立っていないことは置いておいて……)。

 しかしながら、こんなことを言っていたとしても、このカクヨムというサイトは小説を投稿するためのものです。だから、ここで作品を掲載している自分もアマチュア作家の端くれというわけです。

私のここまでの話を聞いて、

「作家になりたくないのに作家まがいのことをしているのはどういうことか!」

と思う方もいるでしょう。

 結論から言うと、私にとっての作家という職業、小説というツールは、ただ『好きなことを仕事にする』ための手段の一つでしかないのです。


 元々私は、空想をするのが好きでした。悪く言えば妄想、『授業中に不審者が入ってきて、自分だけが狼狽えずにやっつける』だとか、『プロ野球選手になって凄まじい成績を残す』だとか、聞いているだけでも鳥肌が立つような痛々しいガキですよね。

 この空想(笑)を活かしてできた将来の夢が『漫画家になる!』でした。昔から本なんて読まない性分だった自分にとって、漫画が自分にとってのトップカルチャーでした。

 しかし、漫画を描きたい描きたいと思い筆を執ってみてあることに気が付きます。自分は絵が描けないのです。

 絵が上手くなくとも(もちろん自分とは比にならないですが)ヒット作を描いている漫画家がいるのは事実です。例えば、「進撃の巨人」の諫山先生であったり「鬼滅の刃」の吾峠先生だったり。

 でも、私はそこで挫折しました。なぜなら前述した作家のようなスキルを何一つとして持ち合わせていなかったから。

 すると、自身の空想(笑)を活かす仕事というものは『作家』くらい。

 これが私が作家を目指すことになるオリジンなわけです。


 痛々しい自分を主人公とした空想から転じて、今度は自分以外のキャラクターにさまざまなことをさせるという思考となったのが小学五年あたり。

 ここで私の正真正銘の処女作が生まれました。それもまた、痛々しい内容なのですが、この連載が続けばもっと詳しく話すかもしれません。


 ここで一つ言いたいことは、作家になりたいという夢に正当な理由はいらないということです。

 別に「楽してたくさん稼ぎたい!」でもいいわけです(実際に楽かどうかは保証しません)。

 世の中、そういう不純とされる動機には厳しい目が向けられがちですが、結局のところ売れたもん勝ちな業界です。

 発端がどうであれ、素晴らしい意志を持ったもののすぐに諦めてしまった人よりも、どれだけ周りから不純と揶揄されながらも着々と成長し続ける人の方が向いていると思います。


 まあ結局、これも私自身の作家になりたい理由を正当化させるためのものですが……。


 ここまでこんな駄文を読んでくださった方々に、最大限の感謝を。

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