第2話 スキル『獣王様の溺愛』???
瞬間的にわかったことが3つあった。
1.スキル『ザ・ビースト』は獣の王たる力が使えるということ。
2.発動条件を満たすと、魔物を獣人化させることができるということ。
そして、もうひとつ。3つ目にわかったこと。それは……
「い、いやぁぁぁぁぁ!獣王様のエッチぃぃぃ!!」
ドゴッ
「ごぼあっ!」
プリケツをまじまじと眺めていた俺のみぞおちに、獣人化したネコ娘の放たれた矢のような鋭い蹴りがクリティカルヒットし、悶絶する。
わかったこと。
3.童貞にケモミミ美少女の桃尻は刺激が強すぎる
「ああああ!ごめんなさい!ごめんなさい!大丈夫ですか!獣王様ぁ!」
苦しみと喜びの痛みを感じていた俺に擦り寄り、蹴られた箇所をさすってくれるネコ娘。
説明するまでもないが、服は着ていない。
……これは、やばい。刺激が強すぎる。獣王の下腹部にほとばしる熱き血潮の収束を感じる。
「あんまり情熱的に見られるもので、照れてしまいました。……にゃ」
顔を赤らめ恥ずかしがるネコ娘。まだらの猫耳も萎れている。
ちなみにその「にゃ」っていうのは、言わなきゃいけないルールなの?
い、いや、今はそんなことはどうでもいい!この状況をなんとかしなきゃいけないんだ!
ただ、追加でわかったことがあったので付け加えておく。
追加でわかったこと
4.ケモミミ美少女はマニュアル通り、乳がでかい!(刺激マックス)
「ちょっとアンタ!なに裸でイチャコラやってんのよ!てか、アンタだれよ!」
俺たちのスキンシップに激高したのは、兵士2人に稲妻を叩き込んだ無詠唱魔法を扱える魔術師の女。
いきなり現れたネコ娘が誰かはわかっていないようだ。
「ちょっと待っててくださいね。獣王様。すぐに終わりますから」
ニコッと可愛らしい笑顔を見せる全裸のネコ娘は、俺を静かに地上へ置き、そして、魔術師女と対峙した。
「うるっさいわねぇ……。今獣王様とラブラブしてんだから、邪魔しないでよ!この貧乳老け顔アバズレババァがぁ!」
「な、な、なぁぁぁんですってぇぇーー!」
口わっる!ち、ちょっとネコ娘ちゃん!なに煽っちゃってんの!めっちゃ怒ってんじゃん!あの魔術師女めっちゃ強いんだよ!!
そもそも貧乳かどうかなんてあの服じゃわからな……
あ、仲間2人「うんうん」ってやってる。事実みたいだ。
「ちょっと乳デカいからって調子乗ってんじゃないわよ!てかアンタ、もしかしてさっき死にかけてた……」
「ようやく気付いたようね?顔だけじゃなくて頭も悪いのかしら……にゃ!」
わ、出た。にゃ
「この死にぞこないの汚らわしい獣風情がぁ!なんでそんな事になってんのかわかんないけど!」
怒りの魔力充填を開始する魔術師の女。
無詠唱の使い手だ。こちらを殲滅する魔法が飛んでくるのは必至!やばい、やばいよ!これぇぇぇぇ!!
「最大火力でケシズミにしてあげ……」
「遅いにゃ」
ピカっ!ちゅどぉぉぉおおおん!!
「ぼふぁ」
口と耳から白煙を上げ、白目で立ちすくむ魔術師女。そのまま前へバタリと倒れこんだ。
「なっ!?」
驚愕の表情を浮かべるハルバートともう1人の仲間。なにが起きたのか理解できていない様子。俺もさっきから「?」と「!」の連続だ。
え、マジでいまなにしたの?なんか突然稲妻落ちて魔術師女貫いてたけど……。あ、これ、もしかしてさっき魔術師女がやってた……
ネコ娘!キミ、無詠唱魔法つかえるのぉぉ!?!?
「撃っていいのは、撃たれる覚悟が……にゃんだっけ?」
すげーキメ顔でなんか言おうとするネコ娘。いや、それは言わないほうがいい。しかも裸で。
「貴様……やってくれたな!」
魔術師の元に駆け寄り回復魔法を施していたハルバートが眼光鋭く睨みつけてくる。
警戒しているが、仕掛けてくるつもりなのだろう。次は、どうする!
「獣王様ぁぁ」
ネコ撫で声でまた俺に擦り寄るネコ娘。これ、もしかしてネコの習性なのか?
てか緊張感!!
「獣王様は、わたしのステータス、確認できますよね?ちょっとみてほしいにゃ」
いや、そんな余裕ないでしょ。あちらさん、めっちゃ隙伺ってるし。
「大丈夫です!獣王様にスキがあっても、この場じゃあまり関係ありませんから!」
こいつ。サラっとめちゃ失礼な事言ってるな。俺、使えないってことだよね?
まぁ、ある意味「この場は私に任せて」ということなのだろうから、前向きに受け取っておくことにする。
「ステータスは、ええっと……」
確か念じろって言ってたなよな、あのじいさん(神)。
スタンダードに行くか。多分アレでいいはず!
(ステータス・オープン!)
……あれ?でない。なんで?普通これで出てくるはずなんだけどな。
……よく思い出せ。あの時、じいさん(神)が言っていた言葉を、よく思い出せ!
あ、あれか!もしかして、あれでいいのか??
(ステータス・カモォォォン!!)
ピコン
名 前:ミーア
種 族:獣族
攻撃力:E(D) ※スキル発動中
守備力:D(C) ※スキル発動中
素早さ:C(B) ※スキル発動中
知 力:B(A) ※スキル発動中
体 力:D(C) ※スキル発動中
乳 房:E(D)
スキル:『獣王様の溺愛』
わ、出た。
出たけど、ねぇ!これ、なんかおかしいよねぇ!?スキルの上、なんかおかしいよねぇ!
これ、サバ読んでるってことなのぉ!?
「わたしのおっぱいはEカップなのぉぉぉ!ってそっちじゃないにゃ!スキル、スキル見るにゃ!」
スキルの上が気になりすぎて読めてなかった。獣王様の、溺愛???
「わたし、獣王様の愛が深ければ深いほど、強くなれるにゃ!今のままじゃあいつらには勝てないにゃ!!ってことでぇ……」
ガシッ!
「!?」
ぶっちゅぅぅうううぅ!
「!?!?!?!????」
ネコ娘、ミーア。そのヘッドロック一歩手前の一方的な接吻のことを、俺は生涯忘れはしないだろう。
……ファーストキス。それは、昔出来心で食べてしまった、キャットフードみたいな味がした。
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