船出の時はきた

目の前の現実に

満足していた日々


自分の周りの幸せだけを 祈ってきた

僕と僕の親しい人達だけが

幸せならそれで良かった


疑問にも思わなかったある日

唐突に降ってくる

透明なガラスの欠片


僕は身をかがめ ガラスを避け

上を見て 愕然とする



はるか遠い雲の向こうに

別の世界が広がっている


世界はここだけじゃなかった

違うんだ


世界は 僕の

僕達の周りだけじゃなくて

僕達の周り以外にもあって


思い知らされる

涙が溢れてくる


この世界の向こうには

どんな景色が広がっているのだろう


見てみたい 行ってみたい

僕の周りの幸せでいてほしい人達は

僕の思いに笑顔を向ける


たくさんのことがあった

良いことも 悪いことも

僕は心に刻み 後ろに目をやった


前だけを見ていたら

記憶の海に 取り残される過去と現在


忘れてはいけない

良いことも 悪いことも


これは僕達が

頑張って生きてきた証

決して

この気持ちを置き去りにしたくない


忘れない強さを この手で握り

船出の時はきた



いざ 新しい明日へ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩集 りいな @nanatunokuninomonogatari

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ