(三)-4

 兵士はゆっくり、ゆっくりと寝台と寝台の間を確認しながら歩いてくる。二見が隠れているところとは寝台三台分の所まで兵士がやってきていた。

 そして二つ目の寝台を確認して、いよいよ次というときに、二見は立ち上がり、「奸賊覚悟!」と大声とともに手にした日本刀を横一文字に振った。

 やや間合いが開いていたこともあり、二見の剣撃は空を切った。相手の兵士はその隙に二見めがけて銃を発砲してきた。弾丸は二見と兵士の間の寝台に当たり、布団に穴を穿った。


(続く)

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