設定資料集(連合王国編)
主人公の所属するヴィーテ=ガスク連合王国の政治形態や用語について
ほぼ作者のメモ代わりなのでこれから変更があるかも?
七大貴族
連合王国において最大の権威と権力を有し、王家に絶対の忠誠を誓う七つの貴族家の総称。王家に従属することで他の貴族と異なり多くの権益を保持し続けている。現在の王国議会の主流派閥であり、王家の権威を認めつつ緩やかに権力を議会へ移譲し、最終的には立憲君主制を確立する事を目標としている。
派閥内で対立はあるが大目標は一致している為、7家の結束は強い。
王党派
七大貴族を中心とした、現在の王国議会の主流派。
派閥内で更に保守派や穏健派、武断派や拡大派等の派閥が存在するが、大目標である立憲君主制確立とその前段階としての議会権力の緩やかな拡大と王家の権威と権力の分離、国内経済の活性化では協調している。
かつては貴族派と議会を二分していた為、強い結束を誇ったが、貴族派が没落後、上層部の七大貴族はともかく、それ以外での派閥内での対立が目立ち始めている。
貴族派
王家の権力の縮小、領地貴族の権益拡大を目的に結成された派閥。南西部のトランバレム公爵家を中心にかつては七大貴族すら圧倒するほどの権勢を誇った。議会設立やいくつかの事変により次第にその力は衰え、巻き返しの為に獣国や帝国と内通し今大戦を勃発させた。反乱の中心勢力となったトランバレム家は滅ぼされ、貴族派はほぼ壊滅した。
革新派
商業的に成功した中小貴族や、爵位を得た大商人達を中心とする派閥。議会権力の拡大と王国の領土拡大による経済的な繁栄を目標に掲げ急速に勢力を拡大している。元々は貴族派と敵対し、七大貴族派と友好関係にあったが、貴族派が没落すると次第にその急進的なあり方から七大貴族派の保守派からは警戒されるようになってきている。
衆民派
議会において爵位を持たず選挙で選ばれた議員達を中心とした派閥。その立場上、最も勢力は小さいが、可能な範囲で平民の生活を改善する事を目標としている。七大貴族の穏健派は陰で可能な限り彼らに援助している。
バランタイン公爵
“騎馬のバランタイン”の異名を有する連合王国最大の貴族家。
七大貴族の筆頭。
建国初期に王国に臣従した北方の騎馬民族“ガスク族”の族長一族の末裔であり、初代国王から“バランタイン”の姓を授かった。
彼らの軍事力が建国期の王国の拡大の原動力だったことから、他の貴族家と比べても隔絶した権威と軍事力を有している。また良馬の産地と大陸北部の交易路を抑えているため高い経済力も有し、近年は領内で競馬興行を行い成功している。
リガール辺境伯
“剣”のリガールの異名を有する王国最強の貴族家。
建国の英雄ロイ・リガールとガスク族の族長一族の姫(族長の姪)エリーゼを祖とする七大貴族の一角。ユーシア大陸を東西に二分するギールマ山脈、その山脈で唯一大軍が通過可能なウィリムス盆地を領有し、王国へ進行しようとする東方諸国や騎馬民族達から王国を守護し続けてきた武闘派であり、王家に絶対の忠誠を誓う忠臣。爵位は他の7大貴族と比較し低いが、代々東方貿易で財を成し、近年は領地開拓にも成功し経済的には他家と遜色はない。また“カナンの騎士”の選定においては強い発言権を持つ。
一族では稀に銀髪や金眼の子供が生まれ、初代辺境伯とその妻の特徴を受け継いだその子供は吉兆として丁重に扱われる。
ジャッカード公爵
“美”のジャッカードの異名をもつ七大貴族。
かつては連合王国西部に存在した小国の王家だったが、建国最初期に王国に臣従し公爵位を得た。大陸有数の大きさの淡水湖の南部を縄張りとし、湖上貿易及び河川貿易によって財を成した。また芸術家の保護に熱心で、領都ミオウは芸術家の聖地と呼ばれるほど大陸各地から多くの才能ある芸術家達が集っている。
その経済力とコネを背景にかつてはバランタイン公爵を超えるほどの権勢を誇ったが、その時期の当主が対外戦争と防衛戦争で敗戦が重なり“弱将”と呼ばれるほど戦争の弱さが露呈したことで失脚したため衰退した。それでも7大貴族の中では二番目に強い発言力を有している。
ケルビム侯爵
“黄金のケルビム”の異名を持つ七大貴族。
王国中央部の穀倉地帯を領地とし、食料生産で膨大な財を築いた。祖先は建国王の母方の一族であり、連合王国の建国に多大な貢献があったことから豊かな現在の領地を与えられた。
代々領地を開拓し、麦だけでなく他の穀類や果樹の生産も多角的に行うことで飢饉のリスクを減らし、何度も王国の危機を救ってきた。その為、他の7大貴族からは最も敵に回してはいけない一族と認識されている。
余剰の穀物や果物から作る酒も名産で、近年では蒸留酒の生産も行っている。
マーグレム侯爵
“鉄のマーグレム”の異名を持つ七大貴族。
かつては王国西部の鉱山地帯を有する山岳民族だったが、王国との戦争に敗れ臣従した。臣従した当初は反発が強かったが、その後は王国の庇護のもと、安定した食料の供給や公正な取引が行われるようになったため、現在は王家に忠誠を誓っている。
領地である山岳地帯では鉄だけでなく銀や金、宝石も産出し、その加工を行うため多くの職人が集まり、領都には多種多様な工房が立ち並ぶ。中には極東の島国から海を渡ってたどり着いた職人集団もいるらしい。
ミスト侯爵
“海のミスト”の異名を持つ七大貴族。
王国南部の港湾都市を本拠地とし、ユーシア大陸だけでなく他大陸との交易も積極的に行い財を成した。元々は海賊として周辺を荒らし回った豪族だったが、建国王に口説かれ臣従し、海賊業から貿易重視へと転換した。近年は大陸南方のセリアム諸島の開発に成功し、砂糖やコーヒー豆等の生産で膨大な富を得ている。
ラーズ侯爵
“叡智のラーズ”の異名を誇る七大貴族。
初代国王の宰相を努めた賢臣ソーヤ・ラーズを祖とする一族。初代ラーズ候は教育を重視し、王立学園の設立や初等教育制度の整備を推し進めた。その一貫として自領に国内外のあらゆる書籍を集めた図書館を設立し、多くの学者に開放した。それが現在のソーヤ記念大学の原型であり、大学のある領都ニギタスは大陸中から賢者の集まる一大学術都市として発展している。大学ではあらゆる分野の研究が行われ、その成果はラーズ候の権威のもと広く国内に開放されている。
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