第2話 帰ってきた劣化ハーレムの女達

「あら、スピット?あなた、何してるの?」

「ファイア、あんたこそ…。え、そこにいるのは、ハリアにケーン。あなた方も如何して?」

「こちらのセリフよ。」

「何でみんながいるの?」

「主様。この4人は誰なのだ?どういう事情か説明してもらえないか?」

 シウンは、待ってくれというポーズをしてから、

「汚れすぎているぞ。まずは湯屋に行って体を洗ってこい…。?」

 4人の表情を見て、

「腹が減っているのなら、先に食べて…まさか…食事代もないとか…まさか…。分かったよ。」

 彼は、4人のための食事を注文した。運ばれてくると、4人は貪るゆうに食べ始めた。魔族女シデンの説明を求める視線を強く感じたシウンは、周囲に聞き耳を立てている冒険者が何人もいることはわかっていたが、別に隠すことでもないし、シデンとはこれから長い付き合いになるとも思って説明することにした。

「まあ、この四人は他の勇者に押し付けられた、彼の元ハーレムの女達で、負け勇者のもとにはいられないと言って、出ていってしまった連中だ。かなりの実力はあるし、中の上くらいかな、上の下に、もしかしたらはいるかもぎりぎり、というくらいなんだが・・・それに、そこそこ美人だし、なんでこうなったのかな?」

 シウンよりわずかに背丈が低いだけで、確かに逞しい大女に近いが、赤髪に近い金髪の鼻筋の通った、胸も尻も大きく、けっこう魅力的な美人に見える褐色の肌の大剣使いのスピット。背は高い、シウンより頭一つ低いだけ、スマートだが、そこそこに胸も尻もある、ややくすんだ金髪で、白い肌の気品を感じる顔立ちの魔導士のファイフは、やはり美人でとおる。銀髪のハーフエルフで小柄で白い肌の可愛いし、そこそこ胸も大きいハリアは小生意気そうだが、結構かわいいし色気もある美人弓手さんだ。聖女のケーンは平均的な背丈だが、四人の中で一番胸が大きく、それでいて一番可愛らしさがある、少しアンバランスな魅力を感じさせる栗色の髪と黄色い肌の美人ではある。

「人間達のことはわからないが、元勇者のチームというプライドが鼻持ちならなかったんじゃないか?それに、そんな汚れた、中古の女は男にも女にも嫌われるものだ、主様。それで、そもそもの彼女達との関係は?」

「そんなものか・・・まあ確かに・・。とにかく・・・どこから・・・、俺のことから話していこう。長くなるが、我慢して聞いてくれ。」

「私は主様の奴隷だ。聞けといわれれば、いつまでも聞く。」

「わかった。」

 それから、しばらく唸ってから、

「こいつらは、その場で、馬鹿にするな、お前のような負け犬と一緒にやっていけるか、世話になどなるもんか、などと言って、行ってしまったんだよ。あの日。」

 貪るように食い、飲んでいた4人の手が一瞬止まったが、直ぐに動き出した。“全く…。主様を食い物にでもするつもりか、こいつら。”

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