四日目 秘密の地下倉庫にて 後編
「ご心配なさらずとも、地下の器具を扱う様なことはいたしません」
「ならばあの血はなんだ……と?」
「お話ししたことを覚えていらっしゃいますか?」
「畑を獣に荒らされたと」
「少し荒っぽい……」
「おしおき」
「です」
「アナタを楽しむ為に暫く食事を控えていましたので」
「少々、気が立ってしまいまして」
「あまり、抵抗なさらないのですね」
「私としては嬉しいのですが、良いのですか?」
「シスターを偽っていた私の姿が、未だに剥がれませんか?」
「それとも、命惜しさの無抵抗……ですか?」
「信頼している……?」
「いえ…………少し驚いただけです」
「アナタを騙した鬼の私を、信頼などと……」
「ふふっ…………お可愛いこと」
「ではせめて…………優しく、いたしますね」
「さ……ベッドに身体を預けて」
「…………ん…………あぁ」
「アナタの首筋……とても甘い……」
「少し……少しだけ、痛いですよ」
「…………かぁ…………はぁ」
「あぁ……………………」
「とても――――美味しい……です……」
「良かった……夢にまで見たアナタを……遂に……」
「……」
「痛くは…………ありませんか?」
「…………良かった」
「もう一度」
「……………………」
「傷を、塞ぎますね」
「…………くすぐったいですか?」
「いえ、コレは治療行為の一環です」
「牙で開けた穴程度でしたら、舌で拭えば一瞬で塞がりますわ」
「気持ちが良かった……?」
「では、もう一度…………」
「…………ん」
「では、今日はここまで……」
「一度に多く吸ってしまえば、アナタの身体が持ちませんもの……ね?」
「もう絶対に離さない」
「私だけの……宝物」
「愛しています…………心から」
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