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「ただいまー」
玄関先から届く声は、同居人の帰宅を知らせるものだった。
今日は自分は休みだが、同居人は平常出勤だった。
こういう日はだいたい自分が夕飯を準備することとなっている。
同居人の料理の腕前はひとかどのものだが、自分は全くそんなことはない。大抵はスーパーマーケットで総菜を購入して、温めなおしたり、簡単に野菜を切ったりして準備を進めておく。
だが今日は、柄にもなく料理をしてみた。
「おっ、うまそうだねえ。何作ってたの?」
帰宅した同居人が、IHクッキングヒーターの上のフライパンの中の料理を目ざとく発見する。
それはカレーピラフだった。
諸事情があり白米を大量に頂いたことと、コメを消費するため、白米を使った料理のレシピを都合よくネット上で発見できたことが要因となる。
大まかな料理レシピは以下となる。
1 玉ねぎ(1個)、皮をむいたニンジン(1個)、南蛮(3個)※本来のレシピではピーマン1個だが、同様に諸事情あり南蛮を入手したことによる、ベーコン(1パック)をみじん切りにする
2 オリーブ油を敷いたフライパンで炒め、途中で塩コショウで味付けする
3 炒めた野菜はフライパンからボウルに移す
4 3とは別のボウルに生卵(2個)、カレー粉(適量)、醤油(少し)、顆粒コンソメ(適量)を入れてよく混ぜる
5 4のボウルに温めた白米(1.5合)を入れてよく混ぜる
6 フライパンに再度オリーブ油を敷き、5の米をパラパラになるまで炒める
7 6の米がパラパラになったら、3でボウルに移した野菜を入れ炒める
8 そばつゆを全体に適量ふりかけ、味付けする
9 米と野菜がよくなじんだら完成
カレーピラフのほかにもいくつか準備をした。同居人もコンビニで買い物してきた食材を並べ、夕飯の開始となった。
先述の通り自分の料理の腕はそれほどでもない、というかはっきりいっていまいちだ。カレーピラフも自信のあるものではなかった。しかし。
「おいしいー! 最高、カレーピラフめっちゃおいしいよ!」
と同居人は絶賛してくれて一安心だった。
フライパンいっぱいのカレーピラフは二人で平らげるにはやや多いが、数十分後にはフライパンの中は綺麗に空になっていた。
「なんで1.5合も炊くかなあ。全部食べちゃったじゃない! もうー」
などと矛盾した指摘を同居人から賜ったが、それもまた一興だった。
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