後日談 2
それだけでも不可解ですが、更にもう一つの事件が起きました。トイレの電球が唐突に切れてしまったのです。いやまあ、電球ぐらい切れますよね。自分が今のアパートに引っ越しして七年、以前も一度交換したと思います。
通常、電球が切れる時って「そろそろかな」って分かるじゃないですか。段々明りが弱くなって、スイッチを入れても点きにくくなって。それから点灯時に明滅するようになって、その明滅の間隔、消えている時間が長くなってきて、最後は点かなくなってしまう、みたいな感じだと思います。完全に点かなくなるまで使い切る人もいれば、明滅し始めたら交換する人、または明りが弱くなった時点ですぐ交換する人もいると思います。因みに、自分は割と最後の方まで使い切る派です。
ところが今回は、あまりにも異様な切れ方をしました。トイレに入ろうと思って、ドアノブに手を掛けつつ、反対の手でスイッチを入れました。一瞬、パッと電気が点いたと思ったら、「ブチッ!」とか「パキッ!」というような音がして、それきり、ウンともスンとも言わなくなりました。先述のような前兆は一切なく、本当にいきなり切れてしまったのです。幸いと言うべきでしょうか、前に電球交換した際、同じものが2個入っている電球を買いましたので、真っ暗闇の中で用を足す羽目にはなりませんでした。
この二つの不可解な出来事は一体何なのか、自分には分かりません。もしかしたら自分がボケ始めていて、何度も何度も明りを消し忘れたのかも知れません。特別な電球で、フィラメントが切れる瞬間まで頑張っていただけかも知れません。
ですが、もしこれが隣に住んでいたお婆ちゃんが原因だとしたら、少しだけ思い当たる節もあります。実は前作の最後の部分、二度目の金縛りの話は、公開直前に起きた事件でしたので、元々の話を一部差し替えました。当初想定していた話というのが、隣の空き部屋のもう一部屋隣に住んでいた、例のおじさんの件です。
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