第3話

アッサドのせいではないが、そのせいだと思い込むキェシェルドの方では、こちらも同様にどうするのかと偉い方等で会議が行われていた。そんな中にザンハとソイは参加していた。

「何故、我々もこちらの会議に参加させて頂くのか説明していただけませんか?」

恐る恐るとザンハはトップの人達に口にすれば、トップの一人が立ち上がり、ザンハにとある資料を渡してきたのだ。それにザンハは目を通していけば、トップの一人に目を向けては声にならない声を出すのだ。

「こ、これは……」

「これに君に乗ってもらいたいと思うのだ。もしや、この機密事項があちらに漏れてあんなことが起こったやもしれん。名はリベンだ」

「リベン……ですが、私は戦闘機を担当していますが……」

トップの一人は彼の肩を軽く叩き、ソイの方を見てはこう言う。

「君は彼を戦闘機から援護してもらいたい。まぁ、まずは練習が必要だ。1週間やる。それで少しはモノにしてもらいたい」

彼に託されたのはそう──ロボットだった。こちらもアッサドと同様に密かに作っていたのだ。

「あぁでも、ソイ、君の分もいずれは出来上がる予定だ。だから、君もいずれこのリベンとは別の機体に乗ってもらう。それと、これは機密事項だ、口を慎むように。以上だ」

「「はい!!」」

と、敬礼すれば、「もう下がっていい」と言われて、ザンハとソイは「失礼します」と言い、その会議室から下がる。二人が消えると、トップとキェシェルド軍を任された茶髪で深緑の目のノイジュ・メイツだけになった。

「それでは本題に入ろう。1週間後、あのザンハがあのリベンをモノにしたとしよう。そのときはこちらからアッサドに攻撃を仕掛けるとするか……否や、君はどう思う?」

「……攻撃を仕掛けるのもいいですが、偵察だけでもいいのではないでしょうか。向こうの赤の戦闘機があるのか、この目で確かめないといけないと思います。もし、ないとすれば、別の国の戦力となりますし……」

「ほう……あの赤い戦闘機があちらの物ではない可能性があると……だが……いや、君の言う通り、誤解があってはならない、一度、確かめるか。よし、明日偵察に誰かを向かわせよう」

「了解です」

話がまとまり、トップとノイジュの会議は終了した。終わって、会議室から出ては、明日誰にその偵察をしてもらうかを考えながら、あの赤い戦闘機のことを考える。もし、あれが他の国の戦力だとすると、どうしてこうするのか、大体は予想が付く。このキェシェルドとアッサドを戦争させようとしているのだろう、と。だとすると、大概、頭がいかれているとも思う。


その頃、リベンを任されたザンハはソイと別れて一人で部屋に戻ってはベットの上に座り、機密事項のリベンの資料に目を通す。

「……本当に俺がこれを動かすのか……戦闘機よりも難しそうだ……」

だが、やらねばならない、あの赤い戦闘機のせいでこちらは大切な仲間を失ったのだから、軍人として仇は討たなくては、とベットに寝転がる。だが、もし、この戦いが長引けば、多くの者も死ぬ、それは駄目だとも考える。なるべく早く、あのアッサドを黙らせて降伏させるのだ、その為にもこのリベンを乗りこなしてみせる、と心の中で誓うのだった。

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