第1話

二XXX年、隣国で親交があるキェシェルド国と合同軍事練習が行われることになった。そこにはエドナ、カドルクも呼ばれてはいるものの、エースなので、あとから練習となっていた。なので、先輩たちが先にキェシェルド国の同等の者と訓練だった。

「あ〜あ、俺達のエース見て欲しかったなぁ」

「仕方ないだろう? アイツ等が来たら練習どころじゃなくなるから来ねぇんだよ」

先輩二人はあーだこーだ言い合っていれば、向こうのキェシェルド国のパイロットが来た。あちらも何やら嘆いている。

「俺等よりもザンハやソイがいいと思うんだけどなぁ、向こうにもエースパイロットいたらしいけど、どうせ外されてんだろうな」

はぁ、と溜め息混じりにアッサドもキェシェルドもなっていたが、各二名は戦闘機の中に入る。キェシェルド国の戦闘機はゴールドだったため、アッサドの二人は少しだけ羨ましそうな顔でまてしまうが、首を横に振り、シルバーもかっこいいと思った。4機共、空へと上昇、今日は雲はない晴天のために、視界は良好。

お互いに戦闘機のスピードや旋回、動きを見ていくと、スピードはアッサドが、その他の動きはキェシェルドが良かったと判明される。少し高度を下げて、練習場の的に戦闘機のマシンガンを当てる訓練へと移行する。

「これ、難しいんだよなァ!」

動きながら撃つので、斑になってしまう。同様にキェシェルドの者もそこまで上達している者ではないようで斑だった。だが、どちらとものエースパイロットはこれを斑にすることはなく命中されるくらいの腕までだった。

そして、両国を揺るがす出来事は起こる。

「敵襲反応あり」

AIがアッサド、キェシェルドに告げるのだ。そして、次の瞬間、謎の戦闘機が現れて、キェシェルドの一機を撃墜する。その場で爆発し、キェシェルドの者は木っ端微塵だった。

その戦闘機は赤色だったと先輩は思ったらしい。その赤色らしき戦闘機はすぐに消えた。

「もう一機撃ち落としたかったんだけどなァ、もう一機は残しておけとか頭どーかしてるぜ、あの人」

赤い戦闘機の男はやれやれと思いながら、何処かへと帰るのだ。

そして、その火種はアッサドへと向けられる。あの戦闘機はアッサドの新型の兵器ではないのかと、とても誤解ではあったものの、逆上したキェシェルドの者に話は通用しなかった。

「アッサドの野郎ォォォォ!!!!」

アッサドの先輩の一機はキェシェルドの物によって撃墜。ここからが戦争の始まりだった。これが火種により、エースパイロット同士が戦闘に参加することになってしまう。

「なんだ? って、偉い隊長さんがどうして待機の俺達のところに? あー、なんか非常事態だったり?」

「貴様ら、出撃準備だ」

「分かった」

「へいへい、いつだって、エースパイロットは忙しいねぇ」

エドナはカドルクよりも早く出て、出撃を急ぐ。アッカドに睨まれるカドルクだったが、隊長の肩をポンポンと叩き、エドナを追う。その間にご愛用のサングラスをかけて、エドナと共に出撃した。

その頃、キェシェルドのエースパイロットであるザンハ・ニーズとソイ・アイピールは怒りに満ちていた。隊長から報告されればすぐさまに戦闘機に乗るのはザンハで、金髪にピンクの瞳をしていて、長髪のため、髪を結っている。ソイはライトグリーンの髪に紫の瞳だ。

「何故だ、あれほどまでに親交しているお前らアッサドは何故、俺達キェシェルドを撃つ!? 分からない、だが、事実は消えない!!」

「ザンハ、落ち着いてください。当たるものも、当たらなくなりますよ」

「うるさい! 俺はな、こういう非道な行いをするものが許せないのだよ。あぁそうだ、教えてやるさ、このザンハ・ニーズが、悪き、アッサドになァ!」

「全くあなたって人は……」

ソイに言われるが、全く聞く耳もなく、怒りに満ちながら、ゴールドの戦闘機を動かしていれば、見えてくるシルバーの戦闘機。目に入れば、一目散にサブマシンガンを彼等に放つ。

「うわっと、恐ろしいことが起こってるなぁ? なんだ、敵を俺らと勘違いしてるキェシェルドさんよぉ」

「……悲しい。だが、止める他ない」

「あぁそうだな、エドナ・アルバーキー」

彼らのサブマシンガンを避けながら、こちらも撃っていくが、どちらも互角である。速さはアッサドだが、その他はキェシェルドが、どちらも性能は良く、どちらかが絶対上回ることはないため、ただの消耗戦のような戦いになっていたが、怒りで狂っているザンハは止められない。

「同胞をお前らは殺した! その罪の意識はないのか!!」

無線でカドルクは応答する。

「お前があのエースパイロットのザンハって奴かぁ? 落ち着けよ、あの敵はなぁ……」

「うるさい!! 黙れ、悪しきアッサド!」

「怒りで我を忘れているとはパイロット失格なのでは?」

そこに横槍を入れるかのように無線でエドナはザンハに向かって言う。余計にザンハの逆鱗に触れるようで、標的はエドナの方に移る。

「隣国の親交のある戦闘機を撃ち落としたお前らの方が余程、パイロット失格だ!」

怒りながら、こちらにサブマシンガンを撃ってくるザンハに対して、エドナは華麗に避ける。撃つことはしなかったのは彼が良いパイロットだということを知っているからだった。

この四機で戦っている間に味方の戦闘機は戦力差があり、相打ちのように互角に撃ち落とされていたためか、どちらの国も撤退命令が出た。そのため、四機の戦闘は止まった。

「必ずや、お前らアッサドを撃ち落とす」

そうザンハは言い残して、ソイと共に去った。

「あーあ、敵は別の何かなのに俺達のせいにしちゃってさぁ、それに多くの者たちまで犠牲になって……あの赤い戦闘機、許さねぇ」

「珍しいな、お前がそんなこと言うなんて」

「死んだ奴には俺の仲のいいお仲間がいたんだ、そりゃ、頭に来るさ」

そうだな、とエドナは相槌を打つが実際はどうでも良かった。エドナは他人に関心がないため、味方が死のうがどうも思わなかった。ただ一人を除いて、このカドルクという男だけは心では欲しくないと唯一思っていた。




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