第5話 花癒し宿
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『ケイトラン・プリズト』 十六歳 男 種族:人族
クラス:『召喚士』
スキルポイント:100
レベル:3
HP:82/82(+32)
MP:72/82(+32)
筋力:34(+24)
耐久:34(+24)
俊敏:38(+28)
魔力:46(+36)
幸運:40(+30)
スキル:『召喚術:C級(A級)』『戦いの心得:D級』『生産の心得:D級』『闇魔法:C級』(『空間収納:A級』『隠蔽:A級』『鑑定の魔眼:S級』)
祝福:『月女神の祝愛』
称号:『転生者』『魔に好かれるモノ』(『最高神の愛を受けしモノ』)
配下:『魔兎(神月魔兎):かぐや』『魔犬:マルトロス[召喚中MP-10]』
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「おお、二も上がってる。ポイントも凄い増えたな」
『……実は、私も最上位の祝福を受けた者の成長を見た事はありませんでした。』
「うん?いきなりどうした?」
『はっきり言って論外です。滅茶苦茶です。こんなに成長率が増加するとは思いもしませんでした。』
「……どういうことだ?」
かぐやが言うには、ステータスはかなり上がっているがその上昇幅にまだ納得できる。だが、スキルポイントの増加がおかしいそうだ。
『その人の才能や成長率によって増えるステータスやポイントは変わりますが、一般的にレベルアップで増えるポイントは10、多くても15が限度です。2レベル分だと、通常が20~30です。』
「……俺、100も増えてるんだけど?」
『……くれぐれも、ステータスがばれないようにしてください』
「ああ、A級スキルは出来るだけ使わない様にするわ」
もし他の人にばれたら、絶対に面倒くさい事になる。……転生だったり祝福だったり、俺の特別な事情があってパーティーは組みにくいと思っていたが、これでますますパーティーは絶望的になった。
「まあけど、パーティー問題は配下を増やせば大丈夫か」
『そうですね。結局は上手くやっていくしかないですし、好きにいきるのが一番です。問題の解決策は私が考えます。その為の従者、その為の配下ですから』
「ワフ!」
『ほら、マルトロスも任せてっと言ってますよ』
「……ありがとう、かぐや、マルトロス」
とりあえず、貰えるなら貰っとけの精神で行こう。100もポイントがあるんだ。早速使わせてもらおうじゃないか。
ステータス画面からスキル習得画面に移り、気になるスキルを選んで行く。
にしても数が凄いな。習得可能なやつだけでかなりの数があるのに、これに習得不可のやつを合わせたら軽く千は越えるんじゃないか?
うむ悩む。一回しか戦いを経験してないから、今の俺に足りない要素とかは分からないしな。趣味に奔るか、今のスキルを強めるか。
何時までもマルトロスに見張りを頼むのもあれなので、少し悩んだが取りたいスキルを取る事に決めた。心に自由が俺のモットーだからな。
――――――――――――――――
『ケイトラン・プリズト』 十六歳 男 種族:人族
クラス:『召喚士』
スキルポイント:0
レベル:3
HP:82/82
MP:72/82
筋力:34
耐久:34
俊敏:38
魔力:46
幸運:40
スキル:『召喚術:C級(A級)』『戦いの心得:D級』『生産の心得:D級』『闇魔法:C級』『光魔法:D級』『剣術:C級』(『空間収納:A級』『隠蔽:A級』『鑑定の魔眼:S級』)
祝福:『月女神の祝愛』
称号:『転生者』『魔に好かれるモノ』(『最高神の愛を受けしモノ』)
配下:『魔兎(神月魔兎):かぐや』『魔犬:マルトロス[召喚中MP-10]』
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闇があるなら光もあっていいじゃない!って事で光魔法。近づかれた時の対処法と異世界なら剣も使わないとでしょって事で剣術の二つを習得しました。
剣は空間収納の中に有ったので、それを使用する。
「あと二体倒さないといけないし、宿を取るのも合わせたらそろそろ時間がやばいからな。ちゃちゃっと終わらせよう」
本当なら剣術を試してみたかったが、時間が押しているので慣れた魔法でいくことにする。試すのは明日だな。
「よし、行くぞ!」
「ワフ!」
『ヤル気十分なのは良いですけど、倒したモンスターから素材は剥ぎ取りました?』
「あっ」
よし!先ずは剥ぎ取りからだな!
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
「花癒し……花癒し……っと、ここか。」
剥ぎ取りを急いで終わらせた後、二体の魔犬を倒して何とか夕方までに依頼達成。ギルドへの報告も終わらせて、おすすめされていた¨花癒し宿¨にやって来た。
「―ようこそ、花癒し宿へ。お食事ですか? それとも宿泊ですか?」
「宿泊の方でお願いします」
「宿泊ですね。一泊銀貨五枚になります。」
「とりあえず、三泊分お願いします」
「……丁度十五枚、頂きました。では、お部屋の方に案内しますね」
この世界のお金の単位は、銅貨一枚=百円 銀貨一枚=千円 金貨一枚=十万円 白金貨一枚=百万円と成っている。
一泊銀貨五枚なので、宿泊費は一泊五千円という事になる。
女神さまから貰っていたお金が銀貨八十枚で、宿代で十五枚使って残り六十五枚。さっき達成した依頼の報酬が銀貨十枚。
今の俺の手持ちは銀貨七十五枚、円で表すと七万五千円ってところだな。
「――へぇ~、それでここに来たのね。私の宿は名前的に来にくいのか、男性の方が泊まるのが久々で気になってたの。ララリちゃんの紹介なら、お夕飯も力を入れて作らないとね。あ、お夕飯はいるかしら? もう少しした出来るから、欲しい時に声を掛けてちょうだい。私は基本的に受付か食堂の方にいるから」
「え、えぇ、いただきます。」
部屋に着くまでの間のちょっとした暇つぶしとして女将さんと雑談を始めたんだが……この女将、話の勢いが凄い。
この宿に泊まりにきた経緯を話すと、機嫌が良くなり話の勢いが更に強くなった。見た目が清楚で物静かそうな美女なだけに、ギャップで戸惑ってしまう。
「あら、私としたことが……ごめんなさい、話過ぎちゃってたわね。ここが貴方の部屋よ。部屋の中にある家具は好きに使っちゃっていいから、日ごろの冒険に備えてゆっくりと体を休めてくださいな」
そう言って鍵を俺に渡すと、女将さんは来た廊下を戻って行った。
「……疲れたぁ~~~!」
部屋に入ると、依頼だったり移動だったりで溜まっていた疲労がきたのか体がだるくなったので、窓際にある大きなベットに飛び込む。……宿の寝具にしてはかなり上等な物を使ってるな。柔らかくて暖かい。気を抜いたら、直ぐに寝れそうだ。
『お疲れ様でした、主様。ギルドへの登録、配下の追加、モンスターとの戦闘、依頼の達成にレベルアップ。転生初日からかなり順調ですね』
「こう聞くと、初日に張り切りすきた気もするけどね。どれも必要な事だったとは言え、正直疲れた」
『これからの事、主様の思想を考えて作った予定とは言え、私も少し詰め込み過ぎたかな?っと反省しています。配下の追加とかは明日でもよかったですしね』
「ま、そのおかげでマルトロスと出会えたんだけどな」
『ワフぅ!』
主と会えてうれしい!っと感情が伝わる。全く、かわいいやつめ。直ぐにでも全身を撫でまわしてやりたいが、宿の中では召喚できないからな。明日にでも撫でまわしの刑にしてくれる。
「ふぁ~っと、疲れたからか眠たくなってきたな……」
『夕飯を食べ終えてから寝る事をおすすめします。今日動いた分のエネルギーを補充しときませんと、明日が辛いですよ?』
「分かってるよ~……っと、早ないな」
ベットの上でゴロゴロしていると、女将さんの気配が近づいてくる。
『ケイトさん、お夕飯が出来たので届けにきました』
「どうぞ~」
「―失礼します。こちら、お夕飯の魔牛ステーキです」
「………ゴクリっ。な、なんて食欲をそそる匂いなんだっ」
「あらあら、そんなにお腹が空いてたのね。パンとスープはお替り自由だから、遠慮なくどうぞ」
「で、では、遠慮なく……いただきますっ!」
「はい、ごゆっくりどうぞ」
「――っっ!」
俺は、その日食べた物を一生忘れないだろう。……魔牛ステーキ、最高。
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