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■グスタフ・クリムト『ヴァイセンバッハの森の家Ⅰ(アッター湖畔のカントリー・ハウス)』1914年 オーストリア・ギャラリー


「愛」


何に対しても

どこにでもあり得る


とてつもなく大きくて

探せないくらい小さくて

透明で

鮮やかで

重くて

軽くて

優しくて

厳しくて


そんなの


心でしか感じられないから

わからないんだ


わからなくて良いんだ


■アルフォンス・ミュシャ『四季』1900年




「ハナムケノコトバ」


少し強い風が吹く


日は少し傾いて


私達は漸く家を出た


公園で作られる


真新しいシャボン玉


「冒険にいってらっしゃい」


娘らは笑う


そう、見届けないものが


どこへ行くかなんて


作った者でも


わからないのだ


■フィンセント・ファン・ゴッホ『2本の切ったひまわり』1887年 ゴッホ美術館



「夏の花」


切り取られたヒマワリ


なぜまだ微笑むの?


だって世界が近づいたから

こうして永遠になれたから


静かに

それでも

力強く

美しく


命は

自由になれたのかな



■フィリップ・ド・シャンパーニュ『ヴァニタス』1671年頃 トゥセ美術館

『ヴァニタス』


空しさ。


何もないこと。


骨と花と時間があったら。


あるんじゃない?


窓の外に

広がる空は

真っ青にYES


くるくると考えてたら

アイスコーヒーは

色のない

氷だけになった


■エゴン・シーレ『無骨者の水差し』1918年 個人蔵



「問題なし」


綺麗なのに

欠けてて

似てるけど

どこか違う

いやいやどれもこれも

全然違う


捨てられちゃう?


いや

あなたの美しさは

損なわれない

 

要は

形と置かれ方なんだな


■グスタフ・クリムト『フリーデリケ・マリア・ベーアの肖像』1916年 テルアビブ美術館



「個性」


私の個性は邪魔なだけ


そう思っていたら


そうでもなかった


そんなわけもないかもしれず


そういうことになるのかも 


いやはや、そうとも言い切れない


よくわからない


でも

捨てきれずに

今ここにある


それが個性



■オット・スターク『夏の朝』1909年 インディアナポリス美術館


「余白のない朝」


手縫いが好きだ


一心不乱に

縫っていると


それしか

考えられなくなって

集中できて


とても良い


ふと

別のことを考えると


たちまち

指を刺してしまう


だから余計に

全集中


それしか

なくなる


私の好きな

余白のない時


小原古邨『猫と金魚』1945年以前 #世界猫の日


「美味カレー」


マグロがいる水族館


とても綺麗で

生命の神秘に

感銘を受ける


お昼に

まぐろカツカレーを

美味しく食す


ん?


■エドヴァルド・ムンク『夏の夜、声』1896年ムンク美術館



「回転木馬」


どこにいても

何をしていても


くるくる

くるくる


回る

メリーゴーラウンド


なんだか

マグロに親近感


楽しすぎて

可笑しすぎて


真っ黒な

涙が出るんだ



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