カフェの閉店作業

20代の女性から聞いたお話です。


私は以前とあるカフェで働いていて、その時に1度だけ変な体験をしました。

テナントビルの1Fと2Fがカフェになっていて、1Fに入り口とキッチン、レジ、スタッフルームがあり2Fにトイレと飲食用の座席があるといったつくりでした。


ある夜に閉店作業を始めました。

その時はお店には私と店長だけで、お客さんはもちろんのこと他のスタッフも帰宅していて2人だけしかお店にはいませんでした。

まずは1F入り口のカギを締め、私と店長で2Fの清掃から始めました。

店長はトイレ、私は飲食スペースの二手に別れ作業を開始しました。


しばらく掃除をしていると


コツ…コツ…コツ…コツ…


と階段を上がってくる足音が聞こえてきたのです。

店には私と店長だけ、それに店長はトイレにいる。

私のいるところからは階段は死角になっているので何が上がってくるのかは見えません。


コツ…コツ………


足音が止まりましたが2Fには誰も上がってきていませんでした。

当然怖かったですがやはり何事なのか気になったので階段を見に行って見ることにしました。

恐る恐る近づきパッと見てみると、そこには何もいませんでした。

おかしいなぁ、下りていったのかな?

そう思い階段を下りてみました。

やはり誰かいる姿も気配もありません。

ふと階段を下りた自分の右斜め前にある入り口のドアを見るとカギが開いていたのです。

いつも閉店作業の一番最初に締めており、今日も絶対に締めたはずなのに。

私はすぐにカギを締め直し、階段を早足で上がりながらおかしなことに気づきました。


階段を下りる音はしてなかった…


私はゾッとして、急いで2Fに上がり店長に今の出来事を伝え閉店作業を早めに終わらせ帰宅しました。


あれは一体なんだったのでしょうか。


カフェの閉店作業 完

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