金縛りに現れる

20代の大学生の女性から聞いた話です。


私はあまり寝付きがよくなくて、夜中に部屋の中を意識のないままうろうろしていたりすることがあるそうで、家族や友人から驚かれたりしています。

金縛りにあうこともしばしばあるのですが、初めて経験したのは中学生の頃でした。


実家の自分の部屋のベッドで寝ていると夜中に目が覚め体が全く動かせなくなっていました。

部屋の入り口の方に人が立っていてその人がどんどん近づいてきます。

暗がりに目が慣れてきたのかその人の正体がわかりました。

それは私の父だったのです。

父はどんどん近づいて寝ている私の真横まできました。そして私の顔を覗き込むように顔を近づけるとそのまま私の首に手を掛け力をこめていきました。

私は苦しさと怖さから目をギュッと閉じ心の中で

お父さんやめてー!助けて!

そう思った瞬間に金縛りが解けて動けるようになり、父も部屋にはいませんでした。


そしてこの金縛りが解ける瞬間までのあれこれを私は部屋の隅から第三者目線で見ていたんです。


高校生になって頻度は減ったものの何度も同じ現象に遭遇しました。


大学生になり一人暮らしをすることになりました。

一人暮らしを始めてしばらくした頃に久しぶりに金縛りにあったんです。

一人暮らししている自分の部屋の入り口辺りにいるはずのない父が立っていました。

父はどんどん近づいて寝ている私の真横まできました。そして私の顔を覗き込むように顔を近づけるとそのまま私の首に手を掛け力をこめていきました。

私は苦しさと怖さから目をギュッと閉じ心の中で

お父さんやめてー!助けて!

そう思った瞬間に金縛りが解けて動けるようになり、当然父も部屋にはいませんでした。


そしてこの金縛りが解ける瞬間までのあれこれを私は部屋の隅から第三者目線で見ていたんです。


私は金縛りに遭うと必ずこの同じシチュエーションに遭遇します。

あの父は何者なのでしょうか。

仲の良い父がこんなことをするわけもしたいという思いも持っていないはずです。

何者かが油断させるために父に化けて現れたのだとしたらとても恐ろしいです。


金縛りに現れる 完

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