図書室と階段
20代の女性から聞いた体験談です。
私自身は霊感といわれるようなものは持っていないと思っているのですが、不思議なことが2回だけあったんです。
私が看護学校に通っていた時のことです。
4人くらいのグループで取り組む作業があり、その内容について調べるためみんなで学校の図書室へ行きました。
一人一人分かれてその内容に関する資料を探していました。
図書室の角の辺りに本棚で薄暗くなっている一角を見に行こうとしました。
しかしその一角に入ることができないのです。
何故だかはわかりませんが、なんとなく気味が悪くてとにかく入れないという思いでいっぱいになりました。
近くにいた友人にその一角を指差して
「ちょっとその辺り見てみてくれない?」
とお願いしてみました。
友人は私のよく分からないお願いに怪訝な表情でしたが了承してくれて見に行ってくれました。
その辺りをひとしきり見た後に残念そうに
「良さそうなのなかったよ」
と言っていました。
私は
「どんなのがあった?」
と聞くと友人は
「何か死刑の歴史的なのとか、そういう死に関する本ばっかりだったけど?」
「そっかー」
私はそう返事をしつつ何故怖いのか考えてみましたが、わかりませんでした。
ただ漠然と、でも強く怖さを感じていました。
私には結婚しているMという姉がいます。
その姉の旦那さんのSさんが霊感があるみたいなんです。
私が学生の頃に母と私で姉夫婦の住む家に初めて遊びに行きました。
二人の住む家は借家なのですが二階建ての一軒家でした。
元々二世帯住宅だった家がリフォームされて別々の家になっているというものらしく、なんか珍しいなぁなどと思っていました。
家に着きダイニングでひとしきりおしゃべりをした後に家の中を見せてもらうことになりました。
一階を一通り見て二階に上がろうと階段へ向かいました。
姉、旦那さん、母、私の順番で歩いていたのですが、階段に差し掛かり上がろうとするとどうしても進むことができないのです。
私は霊感はありませんし具体的に何かがあったわけではありません。
でも何故か階段を登ることができないのです。
「どうしたのー?」
そう母に声を掛けられなんと答えて良いかわかりませんでした。なのでありのままに
「何かわかんないけど登れない!」
姉と母は不思議そうな顔をしていましたが、旦那さんがこちらを向いて
「無理しないでいいよー。多分感じちゃってるんじゃない? 踊場と登った所に子どもがいるからー」
そんなことを聞いてしまいもう二階に行くことはできず、それから遊びに行った時も一階でしか過ごしません。
もしかしたら姉の家にいたように、看護学校の図書室のあの一角にも何か霊的な存在がいたのかもしれません。
図書室と階段 完
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