ドアを叩く者
30代の女性から聞いた話です。
私の同年代の男友達から怖い体験をしたという話を聞きました。
私は古めのワンルームのアパートに住んでいます。
ある日のこといつものように仕事を終え帰宅しベッドで就寝すると、夜中にふと目が覚めました。
体が動かず声も出せない状態でいわゆる金縛りになっていて、初めての金縛りだったこともあり動揺していました。
すると玄関のドアをドンドンと叩かれる音が聞こえてきたそうです。
ベッドから玄関はよく見える位置にあり、目だけで玄関の方を見てみました。
ドンドン…ドンドンドンドン……ドンドン
ドアが震えるほど強く叩かれていて、そのことも恐怖を増幅していました。
少し経つとドアを叩く音が止み安心していると
カチッ…ガチャ…ギィー
ドアが開く音に背筋が凍りました。
ドアが開ききるとそこには男性のシルエットが見えました。
コツン、ギー、コツン、ギー、コツン、ギー
男性の足音と廊下の軋む音が近づいてきます。
近づいてくると男性の姿が見えてきました。
そこにいたのはライフルを持った昔の日本兵のような姿をした男性でした。
男性はドンドン近づいてきてベッドのすぐ横まで来ると怒っているような厳しい表情で私の顔を見下ろすようにじっと見てきました。
怖い、助けて
そう心の中で念じていました。
するとその男性は持っていたライフルを構え、私の眉間辺りに銃口を向けてきたのです。
もうどうしたらいいかわかりません。
銃口がどんどんこちらに近づいて眉間に触れるか触れないかのところで恐ろしさからか気を失ってしまいました。
これ以来こういった恐ろしい出来事が起こることはありませんでした。
あの男性は何を訴えたかったのでしょうか。
ドアを叩く者 完
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