白装束の女

20代の女性から聞いた一人暮らしをしているその方の友達の体験談です。


ある日のことです。仕事を終えて一人暮らしをしているアパートへと帰りました。

仕事に疲れていたため食事などをさっさと済ませて就寝することにしました。

ベッドで寝ていると夜中にふと目が覚めました。

目を覚ますと自分の寝ているベッドの左側に全身白装束の女性が居ました。

ベッドの右側は壁になっているのですが、その女性はその壁を向いて立っていました。

こういった心霊体験が初めてで、金縛りなのか恐怖からかわかりませんが動くことが出来ませんでした。

するとその女性はベッドや私の体をすり抜けるようにスーッと右側の壁の中へと消えて行きました。

私は初めてのこんな恐ろしい体験で怖くなり朝まで眠ることが出来ませんでした。

夜が明け仕事に行く準備をしていると母から電話がありました。

「親戚の◯◯おじさんが亡くなったからお通夜とかあるから帰って来なさい。」

急なことに驚きましたが、会社にこのことを伝えその日は休むことにしました。


その2,3ヶ月後だったと思います。。

私が自室のベッドで寝ていると夜中に目が覚め、また同じ白装束の女性が前と同じように佇んでいました。

このときも全く動くことができず、その女性は壁の中へと消えて行きました。

勿論とても怖かったですが、以前に一度体験しているので女性がいなくなったことに安心し寝てしまいました。

次の日に職場に行くとなんだか社内がザワザワとしていて雰囲気がおかしかったので何があったのか仲の良い同僚に聞いてみると同僚がヒソヒソと

「課長の◯◯さん亡くなったんだって…」


そんな出来事から2ヶ月後程だったと思います。

自室のベッドで寝ていると夜中に目が覚め、また同じ白装束の女性が前と同じように佇んでいました。

案の定動くことができず佇む女性を見ていると、その女性はまた壁に向かってスーッと向かい始め、女性が私の体と重なった瞬間に女性は止まりました。

「あれ?いつもなら壁に消えるのに…」と思っていると女性はこちらを向き私の目をジーッと見ています。

私は怖くて仕方ありませんでした。しかし動くことができず何もできません。

「どうしよう…どうしよう…」と考えていると女性はまた壁に向き直り、いつものようにスーッと壁の中に消えていきました。

私は次の日買い物に行くために車を運転していました。

そして事故に遭い一時意識不明になり入院することになりました。


あの白装束の女性がこれらの不幸な出来事に関係あるのかはわかりません。

でも女性が現れた次の日に私の周りで不幸なことがおきてきたのは間違いありません。


白装束の女 完

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