心霊スポットの帰り道
関東在住の大学生の女性から聞いた話です。
私は都内の大学に通っています。
所属するサークルのメンバー数人で雑談中にいわゆる心霊スポットに行こうという話が出ました。
みんな「えー!」「怖そーー」などと言っていましたが雰囲気的にはノリノリな感じでした。
そんな中同い年のRちゃんが
「絶対やめとこう。」
そう言うのです。
Rちゃんはとても明るい性格でサークルでのムードメーカー的な存在でした。
それにみんなで遊びに行こうという話になると率先して場所の候補を調べてくれたりとノリの良いタイプなのにそんなことを言うのでみんなビックリしていました。
「何か嫌なこととかあったりするの…?」
と私は聞いてみました。
Rちゃんはとても真剣な表情で
「実は別の大学に通ってる高校の時から仲の良い男友達にヤバいことがあったの…」
「ヤバいこと?」
「うん、A君っていうんだけど地元の友達のB君C君D君と4人で山の中にある心霊スポットにバイクで行ったんだって。その心霊スポットでは特に怖い出来事はなかったんだけど帰り道で事故があったらしくて…」
Rちゃんの怯えているような表情にみんな息を飲むように黙り込んでしまいました。
Rちゃんは続けて
「帰り道にD君C君B君A君の順で縦一列に並んで走ってたんだけど、先頭を走るD君がカーブを曲がりきれなくてガードレールに突っ込んでその先の崖から落ちて亡くなって、その後先頭を走るC君が行きの時には見当たらなかった倒木がカーブの途中にあってそれに衝突して亡くなって、その後B君が道中に山からの落石に激突して亡くなって、友達のA君だけが無事に帰ってきたっていうことがあったの。だから心霊スポットはやめとこ。」
と口早に言ったんです。
皆引いていました。
そんな中私は、そんなに何回も事故るかなとか、その時警察とか救急とかってどうしたんだろうか、と少し疑ってしまいましたが、彼女はそんな疑問をぶつけることができないほどに真剣な表情でした。
そしてこの話がどこまで本当かわかりませんが表情を見ると本当なのかもしれないと感じました。
心霊スポットの帰り道 完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます