団地に住む男友達

関東に住むある30代前半の女性から聞いた話です。

私は団地に住んでいます。

その団地は同じような造りの5F建ての建物が何棟か建っているのですが、私の住む棟とは別の棟に友人が住んでいるんです。

木下(仮名)くんといい、同い年の男性の友人で社交的な人なので、よく友人を家に招き飲み会をするそうです。

その日は私も知っている男性の友人と二人で飲んでいたそうです。

二人でダイニングでコンビニで買ったおつまみとお酒をテーブルに広げ楽しんでいたそうです。

すると隣の和室においてある座卓の上の四角いデジタルの置き時計がカタカタカタと揺れ動いたそうです。当然地震は起きていないし、他の周りのものも動いていないし、時計のアラーム的なものでもなかったそうです。

二人は呆気にとられ、その置き時計を見ていることしかできなかったようで、しばらくするとその現象は収まったとのことでした。

他にも別の友人が木下くんの部屋に入っていく女性の影を目撃していたり、木下くんと電話で話している際に電話の後ろで、フフフッという女の人の笑い声が聞こえたのでどこにいるのか確認すると木下くんは一人で家にいたなんてこともあったそうです。

実は木下くんが団地に引っ越して来る前に住んでいたアパートでもおかしな現象が起きていたらしく、木下くんはおちゃらけた様子で

「俺ずっと一人暮らしじゃないからね。」

と言っていました。

私はこういった木下くんのおちゃらけたような、受け入れたような態度があの世のものを引き寄せたり、居座らせたりしているのではないかと思っています。


団地に住む男友達 完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る