魔物合成術師さんと二度目ましての城
「って事でやってきましたね」
『そうですね〜』
「なんかどうでも良さそうですね」
『まあ関係無いですし』
「いやぁ、ソレが全くの無関係って訳じゃなさそうなんですよね、アハハハ!」
『どう言う事です?』
「封印されていた筈の
『それは大変ですね、で今度は私達を売る気ですか』
「いやそれは流石にしませんけどね、王様達はこの問題に一時的な答えを出しました。その答えというのが……プフッ」
『笑ってないで教えなさい』
「封印を解いた貴方達は勇者である。もしくはその資格を持ちし者だとして色々援助して貰えるみたいですよ」
『マジで偽勇者パーティーになっちゃった』
「ね?笑っちゃうでしょ?」
『コレは笑えますね、でこのデカい城が目的地ですか。二度目ましてですね』
「二度目?」
『まあ、一回目は地下で捕まってましたけどね。詳しく話しましょうか?』
「バイトさん、そろそろ王の……あっ!」
何かやばいらしい。慌てすぎて狐の耳と尻尾が生えてきているし、面白いから言わないでおこう。
「偽勇者はどうするんですか!コケ男さんは死んでるし!」
『そこら辺のカカシかお爺ちゃん連れてきて、無理だと
「いや、堂々と言った方が良いと思いますよ、コソコソやって疑われるより。公認で動いてる方が、他の国のダンジョン捜索の時も国のせいに出来ますからね」
『成程、流石賢者!それっぽい事言わしたら世界一!』
「もっと素直に褒めても良いんですよ?」
『それより、偽勇者どうします?』
「うーん、全く方法が無い訳ではないですが……」
『何か方法が?』
「闇魔法の
『イノリギツネが使っていた奴は使えないんですか?』
「ボクは、キツネさんみたいに何でも叶える事は出来ないです。命の復活なんてさせたら、キツネさんと一緒にボクも消えます。キツネさんとボクは同位体みたいなものっぽいので」
「良く来てくれた!君が勇者の資格を持つ青年だな?鋭い目つきでどんな魔物でも倒せそうだな。王はもうお待ちしているっ!さあ何してる?早く行こう!」
「……」
「それにしても顔色が悪いな。ちゃんとメシ食ってるのか?終わったら、パーティーをやるつもりだからたっぷり食べろよ!」
無言のままドッペルシャドウが男に付いていくのを見て、ボク達も後を付いていった。
「あっそうそう、伝え忘れていましたが、ドッペルシャドウは喋れないので代わりに喋ってあげて下さい。後ドッペルシャドウがいる間は、絶対に
そう小声で賢者が伝えてきた。また私は仕事をしなくてはならないらしい。そろそろ
『はぁい』
魔王はこれから少し我慢をしようと思った。なぜなら面倒臭い事は、勘弁して欲しいからだった。タダでさえ忙しいのに……。
「さあ此処からが王の広間だ。ちなみに俺が大臣だ。まあ、仲良くやろうぜ!勇者サン?」
後ろの私達を気にする事無く、扉の前でダイジンは勇者に握手を求めた。
ドッペルシャドウはそれに反応せず、扉を前にして立ったままだった。
「チッ……これは面倒臭そうな奴が来たな」
そうボソッと呟いた独り言は、残念ながらその場にいた全員に聞こえており、好感度が下がったのを彼は知らない。
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