魔物合成術師さんの神社配信《復活》

ふぁーあ!んんっ……


良く寝たなぁ。寝不足だったし……まだ寝足りないんだけど


「コケ男さん?」


『やっとですか……この人の相手滅茶苦茶疲れるんですよ。話通じないですし……なんせ別言語喋ってるんですから』


「いや同じ言語ですけど?何言ってるんですか?本当に」


何?最近俺が起きると騒がしくしないといけない法律でも決まった?


「?」


『?』


仲良しすぎるだろ……チクショウ。えっと俺死んだんじゃなかったっけ


「はい、死にました。この度はご愁傷様です」


えっとじゃあ此処は?


「現世ですね。体を騙し撃ちして生き返らせたらしいですよ……まあ詳しくはボクも分かんないです」


そっか……


『それよりもキツネさんお供物のおかわりをあげた方が良いと思いますよ?今にも消えかかって逝きそうなので』


そう言われて周りを見渡すと光り輝くキツネが今にも天へと飛び立ちそうだった。


何アレ!?どういう状況何にも分からないんだけど?


『視聴者に聞いてみましょう。ほら参加型企画ですよ』


《コメント欄》

・いや分かるか!?

・Q.情報も無いイノリギツネと言う生物が謎の行動を起こし、その後天の迎えを受けようとしています。その解を求めなさい

・無理ゲーすぎて草

・A.範囲外だから全員に点数が入る



まともな答えが無え……


『恐らくですが一回使ったら終わりの貴重な技だったんじゃないでしょうか。何でも願いを叶えるなんてチート技……そんな何回も使えたら大変ですからね』


役目を果たしたから消えると……でもそれじゃあ


『代々引き継いだ的な事を言っていたのですが一匹しかいませんでした。と言う事は彼は誰かに受け継がせる事が……』


ん?どうした?


『いや賢者さんお供物と一緒に力を受け継いで下さい。それが願いになれば叶えてくれる筈です』


『コケ男さんはリングォジュースを。作れますか?』


あぁ……あるから作れるけど。なんか減ってね?


『気のせいじゃないですか?目の錯覚ですよ』


そうか?そう言う事にしとくか


「ボクにも、リングォを一つください。半分に割って焼きリングォとアイスリングォを作りたい」


はいどうぞ……。


死から起きたての奴に、やらせる仕事量じゃねえな。普通は、リハビリとかじゃねえの?


『今忙しいので後にしてください』


あーそうですか、分かりましたよ。






できたぞ。ヘイお待ち……リングォのフルコースでございます。熱くて冷たいので味覚の渋滞にご注意ください。


《ハフッ……ハフッ……熱っ冷たっ……

プハァ。美味しい!うんっうん》



「美味しそうに食べてますね」


もう一眠りして良い?


『いや充分寝たでしょ?』


まあね。


《話はうっすら聞こえてたよ、その通り。僕に相手は誰もいなかった、だから僕は誰かの願いを叶えたら消えるだけの存在だった。なのに……》


「ボクに力を渡してください」


《良いの?ただの人間に耐えられる様な力じゃないし、人間じゃなくなるかもしれないよ》


「……別に良いです、死ぬ訳じゃないんだったらボクは大丈夫です」


《分かった。僕の全てを君に……》












「コンにちは……」


何それ、狐耳付いてるけど。


『キャラ作りですか、今更すぎません?』


「イノリギツネさんの力を移して貰ったら、狐になりました」


《コメント欄》

・可愛い

・良く分からんけど可愛い

・よし解散

・いつの間にかコケさん復活してる。それよりも可愛い



じゃあ帰りますか!


『そうですね!帰りましょう、疲れましたし』


「いやいや、探し物があるんでしょ?」


『あ』

あ。

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