魔物合成術師さんの強制終了配信《デジャヴ》
あっ……俺はコメントを見て思った確かにヤバいかもしれない。どうしよう俺も魔王側って思われたら勇者に殺されるまだ死にたくねえ許可取ればなんとかなるかもしれない。頼むセーフであってくれ!頼む
「配信してるんだけどもしかしてヤバい?」
『配信って何ですか?』
「あーえっと……なんて言えば良いんだ?お前の存在が王にバレる可能性がある。ヤバい?」
『そうですね……今すぐ切れ馬鹿野郎ッ!!!』
ですよねッ!俺は急いでコケ男のトサカを押した。なんか前もこんな事あった様な……
『取り敢えず宝箱の中の右腕を偽装させます』
取り敢えずってそんな事出来るのか?
『逆にそんな事しか出来ません。ちなみに貴方のレベルは?』
……レベル1。魔物合成術師って裏方の仕事で表立って戦う役割じゃないからレベルが上がらないんだよ。その代わりスキルレベルは上がりやすいけどステータスも全部一桁で低いから勇者に見られただけで死ぬぞ俺は
『成程……なら貴方に一つお願いがあります。勇者より国より先に残りの私の身体を集めて下さい魔物合成術師なら私の体を合成させて元の体に戻す事も出来る筈です。勇者は異界から来ると情報があります。なら来たなら戻る事も出来る筈です』
戻す事が出来るのか?
『入口があれば出口もある筈です。無ければ入口から戻れば良い……出来ました』
黒い宝箱の中には先程までは入って無かった筈の剣が入っていた。不気味な黒いオーラを纏っているロングソードだった。装飾はそんなにゴテゴテして無い。手に取って振ってみると意外と軽かった。オモチャみたいだ
ブンッ!ブンッ‼︎
『勇者の
魔王の右腕(物理)が今は勇者の剣か、オモシロ
『なるべく勇者からは避けてひっそりと行動して下さい。目立つことは避ける事!』
そんなオカンみたいな事言われなくても大丈夫だって……
俺は剣をマジックボックスにしまおうとそう笑う。いや待てよ?そっと戻せば今ならまだ未遂で済むんじゃ?
刺激しない様バレない様にそっとそーっと剣を宝箱に戻した。
すると
『それを すてるなんて とんでもない!』
うるせえっ!ダメか……
《hr》
ダンジョンから遭難者と一緒に戻りギルドに話を通した。後は家に帰るだけ「あの……ダンジョン配信者のコケ男さんですよね」
フードをしている子供?が話しかけてきた。
帰るだけ……「イエッヒトチガイデス」
「何で嘘つくのか分かりませんが……着いてきてくれませんか?是非お話がしたいので」
帰りたいんだよっこっちは!帰って寝て全部忘れたいの!
フードからチラッと見える目には普段の幼馴染を思わせるヤバさを感じる。そんなヤバさのフルコースなんて頼んで無いんだけど魔王は前菜だったのか?重すぎだろ胃もたれするわ
「いや人違いですって……」
「はぁ…そのダンジョン撮影用の魔物型カメラ。最新型でそんなに数は出回ってないんですよ。しかもこの街はそんなに賑わってる訳でも経済的に裕福な訳でも無い。
なら値段が高く売れ行きが見届けられない最新型は数少ない筈。それにその動物の耳を生やしたスライム、そんなスライムは普通は存在しません。例えば魔物と魔物。それからアイテムを合成する事が可能な
『諦めましょう。下手に抵抗すれば己の首を絞めるだけです。正直に言いましょう』
「……悪かった。ダンジョンの帰りで疲れててすぐに家に帰って寝たかったんだ色々あったしな」
俺は頭を下げる。首切られたりしないよね?
上げる時に首を触るとペタペタと音がした。良かった……
「いえこちらこそ、そちらの事情を何も考えずにすいませんでした。どうしても気になってしまって……」
「所で一体誰なんだ?俺のアカウントはそんなにメジャーじゃない筈だぞ?」
「まあ確かに今の所はですけどね。……失礼しましたボクはローラ貴方の配信内では"情弱な賢者"の中の人です」
そう言ってフードを取るとペコっと頭を下げた。
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