魔物合成術師さんのキノコ配信《宝箱のトラウマ》
「王様!大変な事になりました……」
大臣が慌てて俺の所に来た。一体何だろうか
「どうした。そんなに慌てて」
王らしく毅然として慌てず構えて水を飲む。全く最近就任したからと言って感情が出過ぎてる。もっと……
「封印された魔王が復活するとこの国一番の占い師が!」
「はぁ!?いや、冗談は辞めろ?なぁ大臣!!」
水を吹き出しそうになって慌てて口を抑える。数百年は復活しないってドヤ顔で言ってたじゃん父さんっ!封印したの去年じゃなかった?
サバがガバガバッ!
『残念ながら冗談ではございません王よ……』
黒い布で顔を隠した占い師らしき人物がこっちへやって来た。
『どうやら封印は完全では無かったようで近い内封印が解ける未来が見えまする』
「それで王国図書館で対策を調べた所、異界の勇者なら魔王と戦い封印する事が可能と書物に書いてありました」
「な、成程。それで?その異界の勇者はどうやって呼び出せば良いのだ?」
『それはですね……この世界と異界を繋げる魔法陣を創って勇者様をお呼びするのです』
「後勇者のサポートをする為に目覚めるジョブマスター達を集めなきゃいけないらしいです」
「ダルッ」
《コメント欄》
・大丈夫か?
・景色変わらなすぎだろ
・この配信何するんだっけ
・なんか人探してるらしいぞ
・草。今日はリングォの出番は無さそうだな
・キノコしか無さそうだけどな
本当だよ、一面キノコで良い加減飽きたしなぁ……キノコの木とかキノコの池とか最初は珍しくてテンション上がったけど段々気持ち悪くなって来た。
そう思いながら相棒とウロウロしていると突然走り始めた。どうした!?
『がうっ!!』何だそのキノコがどうかしたのか?鼻を擦り付けて鼻息を荒くしている。
別にそこらへんのキノコと変わらない様に見えるんだけど。うーん触ってみるか
うおっ……ヘコんだ。どんどん下へ沈んでる気がする
やがて《ピンポーン‼︎》となった。
すると何処からか大きな音と共に何かが動く気配がした。
いや何処からかじゃなくて下だ!?下からキノコの形の岩が出て来た。
あからさまに手招きして来そうなぐらいの不自然さで人一人入れそうな穴があった。中に入ると天井が低くて屈まないとぶつかる程だった。
中はうす暗くて中腰体制でゆっくりと前進するとすぐに最奥へと辿り着いた。
奥には黒い宝箱と人が倒れていた。宝箱は無視しよう……人が恐らく遭難依頼された人だと思う。
水を二本買っといたのでそれをちょっと飲ませてその場に安静にさせた後で確認しておこう。
でだ。俺は現実逃避をしたいのを諦めて黒い宝箱に目線を向けた。
宝箱があるってか事はここはダンジョンなんだけど……
《コメント欄》
・黒い宝箱だと?初めて見た
・やばそう
《情弱な賢者》黒い宝箱!?気になります!お願いします配信切らないでください!情報に無いですし中身が気になりますね
・普通赤の宝箱だよな、中身は個人のジョブにあった武器とか防具。その時に必要なアイテムが出てくるんだが黒の宝箱は何なんだ?
コメント欄が盛り上がる中俺はそっと宝箱に触れて蓋を持ちあげてみる。施錠は無くそのままスッと開き中には……
『タイトル無し【3】』
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投稿者名『コケ男』
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