魔物合成術師さんとゲテモノショッピング




「お?久々だなぁ坊主。今日は、何の用だ?」


顔を出すと、そう声をかけられる。出て来たコワモテ店主に頭を下げると、店の中へと歩みを進める。


「バカデカいコウモリを倒したいか、成程な。デカいコウモリがどうかは分からねえが、普通のコウモリの弱点は光か匂いだ。奴らは、暗闇にいる事が多くて目が退化してるからな。だったらコレなんかどうだ?」


そう言って、横にあったビンを持って来た。


「スパーキングホタルとかどうだ?コイツのケツは、火花を撒き散らして激しく光る」


ヤバいなそれ、でも使えそうだ。いくらだ?


「500エソだ」


高え……。そういえばいくらあるんだ?俺はギルドの経費を取り出して、中身を数えた。


5000エソか、取り敢えず3つくれ。他に何かあるか?


「後はそうだなぁ、シュールストレミングフルーツ。喰う前に鼻が死んで、その後匂いが分からなくなる飛んだバケモンフルーツだ。お前みたいな珍品素材コレクターなら、買うだろうと思ってな」


まあ確かに変わった物は好きだけどな、それも3つ。


「何度も言ってるけどなぁ……魔物合成術師なんて辞めたらどうだ?まだテイマーの方が楽だと思うぞ。それに、テイムが使えるなら実質テイマーじゃねえか?」


まあ確かに一時期テイマーになりたくて、それ関連の勉強をした。元々魔物が好きだったし、そのお陰でテイムが使える様になったけど。だからといって途中で逃げるのは何だかなって思う、どうせなら限界まで極めてから次の道に進みたい。


え?さっき途中でチキって、尻尾巻いて逃げただろって?あっいやアレは、ほら戦略的撤退だから。ちゃんと戻って戦うから!逃げっぱなしな人とは違う。


後回復薬無い?ハイポーションとか。


「そう言うのはな、薬屋に行け!ここは素材屋だぞ」


マジか……なんか無い?


「……回復効果のあるリラックスハーブと俺の手作りクッキーならあるぞ」


無いよりはマシかぁ、まあ何とかなる事を願おう。最悪合成させて食おう。


後、武器無い?


「武器屋行け馬鹿!」


流石に武器は無かった様で、蹴飛ばされて追い出された。愛情表現が暴力的!ってかあんなオッサンがクッキー作るんだな。人は見かけに……ウマッ。こんな路地裏で素材屋やらずに、クッキーで商売すれば良いのに。









『ホォ…モドってキタか』


やられっぱなしは、嫌だからなぁ。所で相棒生きてるか?


『ソコにイルぞ』


「がぅ……」


そこにはボロボロになった、相棒の姿があった。急いで合成しといたリラックスハーブクッキーを粉々にして、食べさせた。


少し楽になった様なので、マジックボックスにしまいつつ出すものも出し、奴と目を合わせる。


さあて……







援軍が来るまで、時間稼ぎしますか。

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