魔物合成術師さんの初配信《2》
ダンジョンの奥地には、必ず一つ宝箱がある。中身がどんな物かは開けて見てからのお楽しみ。無くなると、まるで次の冒険者を待つかの様に、いつのまにか置かれているらしい
お試し配信のつもりでダンジョンに入ってみたは良いけど、特に魔物が出てくる訳でも無く奥の宝箱まで辿り着いてしまった。のだが……
「デカくね?』
明らかな異物感を放っていた。大きさは、俺の2人分ぐらいだ。
さてどうするかこのまま家に帰ってふて寝するのも良いけど、なんかモヤモヤしそうだし何より……。
金が無い。コケ男のせいとは言いたく無いが割と最新型のせいで借金をしなきゃ足りなかった。
あるのはなんとか買えた真っ赤な赤い果実リングォ一つと後は、マジックボックスに素材がいくつか……だから帰ろうか悩んでる。
よし帰ろう!帰ってふて寝して明日合成して倒してお金にしよう。
そう思って目の前の宝箱を後にして、帰ろうとした時異変が起きた。
少し音がしたと思ったら、次第に音は大きくなり宝箱の蓋が外れて中から何かが出てきた。
『ワタシを起こしたのはオマエカ…』
箱から出てきたのはデカい蝙蝠だった。しかも喋った…
「いや、人違いです」
騒音も出してないし何にもしてない、何なら今帰ろうとしていた人間をとっ捕まえてこのコウモリは何を言っているんだろうと思いながら答える。
『ソウカ…ソレはワルかった』
「いえ勘違いは誰にもあるので…それでは」
そう話を終わらし立ち去ろうと思ったが巨大蝙蝠が前と回り込み羽根を広げ道を塞いだ。
『ジツはハラがヘッテイテナ…ウンが良かったヨウだ』
「はぁ?」
『コンナ場所にジョウシツナ食事にありつけるナンテナァ!』
そう言うと同時に俺がいる場所に突っ込んで来る。慌ててウルフスライムを回収し転がることで回避する。
さて…目の前のデカ蝙蝠は俺のことを餌としか思っていない。さっきまで少し話が通じる奴だと思った俺の感動を返せと思ったが、返却して貰ってる場合でも無い。このままじゃ死ぬ。
転がりながらどうにか生き残る方法が無いかと考えていると、腕の中のウルスラが唸った。
顔をゆっくり上げるとそこには蝙蝠が立っていた。奴の足が俺の足をしっかり固定してるせいで、逃げる事も出来ない。
大ピンチだ。だけど…そう言う時程、冷静に脳みそは動いた。
マジックボックスを開き、出したのはリングォと素材の中の一つボムネズミ。
ボムネズミの見た目は、普通のネズミなのだが尻尾を引っ張ると爆発する特性を持っているネズミ型の魔物だ。
俺は、その二つを合成させた。俺の癒しだったのに……。
『
出来たのは、リングォに鼠の尻尾をつけた魔物か?お前…まあ良いやお前の名前はボムリングォだ。
って事で逝って来いっ!
俺は尻尾を引っぱると、すぐに蝙蝠に投げ付けた。
『タイトル無し』
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投稿者名『コケ男』
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