よわよわ魔物合成術師さん、ダンジョン配信中に魔王を合成してしまう
カケラ
魔物合成術師さんの初配信《1》
魔物合成術師とは
その名の通り魔物と魔物を合成して新たな魔物を作る簡単なお仕事なのだが、正直あまり人気は無い。その理由は様々だ、例えば陰気臭そうとか、闇の仕事みたいだと言われたり。
何で俺が、そんな人気の無い職種についたかと言うと仕事が無かったからそれだけだ。特にやりたい事も無く魔物達と戯れていたらいつのまにか仕事を決めなきゃ行けない日にまでなってしまった。
そうして俺は決心する。例え後ろ指を指されようとも自分の好きな仕事をしようと思ったけど…そうは現実は上手く行かなかった。
お金も知名度も何も無い俺に仕事なんか来る筈も無く、草原に生息する野生の魔物をテイムして合成しいつか強くなってダンジョンに入る為に泣く泣く倒す日々……。
自分で合成して倒した魔物を今日もギルドで買い取って貰っている時、周りの冒険者からとある話が聞こえた。
どうやら最近若手の冒険者達は、ダンジョン攻略の動画を撮ってダンジョン動画投稿サイトに投稿するのが流行りらしい。
何もそれだけでは無く、食べられる薬草の違いや使える魔法を教えたり等色々な動画が投稿されていてたまにベテラン冒険者も思わず唸る情報もあるらしく、そう言う情報は有名な投稿者が多いらしい。そして再生数によっては収入も付くらしく若手の中では盛り上がりを見せているらしい。
それを聞いて数十分後…何故か俺の手には、ダンジョン撮影用の魔物型カメラが乗っていた。どうやらダンジョン用の撮影には魔物にカメラを攻撃されるリスクも当然ながらあるらしく魔物っぽく偽装しないとすぐに壊されてしまう様だ。
だから結構高かったけど、何回もカメラを買うよりは良いと店員さんにも勧められてこの鶏型の魔物っぽいカメラにした。ちなみに名前はコケ男だ、これからよろしくな。
まだ日があるうちにダンジョンに何とか辿り着いた俺は、コケ男のトサカを押した。すると、目が光り配信を開始した。
最初の内は誰にも見られないだろうけど、何度もやれば伸びるかもしれない…コケ男を肩に乗せると近場の洞窟ダンジョンへと一歩踏み出した。
初めてダンジョンに入るから、かなり緊張する。取り敢えず、ポケットに入れといたウルフスライムを取り出す。周りの探索よろしくな。そう声をかけると小さく『がうっ!』と鳴いた。可愛い奴。
ウルフスライムは、俺が初めて合成した魔物で中々手放せない大切な魔物の一つだ。見た目はほぼほぼスライムなのだが、普通と違うのはやはり特徴的な耳と黒い鼻…そしてフワフワな毛だと思う攻撃力も高いし俺の大事な相棒だいつもありがとな。
それから暫く歩いたが、魔物は出て来なかった。もしかしてダンジョンってそう言うものなのか?と思いながら奥へと俺は進んでいった。
『タイトル無し』
閲覧数1
高評価0
低評価0
コメント0
投稿者名『コケ男』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます