第15話
学校で。
僕と舞が別々に学校に対応している時点でなかなかクラスの雰囲気がおかしくなっているみたいだが。
クラスのみんなは、京極たちのの方に絡みに行っている。
もともとのクラス内での人望が違うし、そこに加えて向こうには舞がいる。そんなのかてるわけないな、ということに気がつくまで時間はかからなかった。
だから僕は二人で学校生活を過ごすことになる。
「蒼くん。おはよ」
そう、僕に絡んでくるのは宮西。浮気の証拠を送ってきた張本人だ。
本人も僕のことを病ませてしまったとかそういう意識があるのかどうかは定かじゃないけど、やけに僕に絡んでくる。
正直今は、一人になりたい。
けどここでもし宮西を排除してしまったら。僕は更に惨めになる。
そんなちっぽけなプライドですら、捨てられずにいるんだ。
「うん、おはよ」
はぁ。しんどい。どうして、どうして浮気された側の僕がこんな目に合わないといけないのか。
いや――偽だけど。偽だからといって簡単に裏切っていいとは思えない。
そこには人間の道徳心ってものがあるはずだ、って最近までは信じてた。
もう今は信じられなくなってるけど。
つらいつらい1日が、始まろうとしていた。
______
同じ頃、教室で。
蒼の偽彼女をしていた舞は、焦っていた。なぜあんな写真が撮られてしまったのか。
そもそもわたしは浮気をしていないのに、どうしてあんな写真があるのか。
そもそも私は京極のことがあまり好きではないのに。
早く蒼を取り返したい、と。
だからこそ、彼女は恥を忍んで――というか自分の嫌いな人にも声を掛けるらしい。
「京極くん――今回のことについて、なにか知ってることでもある?」
京極からしてみれば、完全に不意打ちだ。
彼は今朝、蒼からLINEの返信がなかなかこないことに気づいたという。
だがしかし、こんなことを誰かに言い出せるはずがない。思い過ごしかもしれねぇから。
そこに、舞からこの発言。
彼は思案する。このことを話してもいいのか。引かれないか。だが、自分と朝神との間に共通することなんてこれくらいしかない。
つまるところ、これを話すべきではないか。
彼は一旦こう結論づけるも――
「なんのことだ?」
プライドが邪魔をする。このクラスの男、なにげにプライドがあるやつが多いのだ。
「あーー蒼のことについて」
ここで、京極。ほしかった答えを手にする。
つまり、これは話しても大丈夫であるということ。
「俺さ、蒼にLINEブロックされたかもしれんのよな……」
「……そっち側に飛びやがったか」
「うん? なんか汚い言葉が……」
「なんでもないなんでもない!」
これは舞、想定外だった模様。事実、舞はLINEガブロックされていないことを確認していたようで。
つまりところ、蒼が自分以外の当事者をブロックするなんて思っていなかったということ。
なぜなら舞が一番ヘイトを食らう立場であると思っていたから。
そこに、京極からの申し出。
もうなにがなんだかわかっていないようだ。
「じゃあ京極。私が、なんで今日蒼といっしょに学校に来てなかったのかわかる?」
「いや、全くわからないが……」
「実は私達さ――浮気してる疑惑がでてるんだよね」
「はぁ!?」
当然である。京極からすればなぜLINEがブロックされていたのかもわかっていないような状態。
そこにこの爆弾発言。そしてこれですべてが繋がる。
「あっ静かに……だから多分さ、ブロックされたのもそれが原因じゃない?」
「なるほどなるほど……それで、どうすればいいんだ……?」
「私は――」
_______
更新遅れてごめんなさい。ちょっとぶっ倒れたりして……笑笑
なんとか今日から更新頑張っていきたいと思っています。
また、新作の短編も公開しております。
「夜の公園で出会った女の子を守る『お仕事』」
事情があってここにリンクを貼ることはできないのですが、読んでみてください。
最終話まで読んでいただけたら泣きます。泣けます。
どうか、僕をカクヨムコン短編ランキング1位まで押し上げてください!
よろしくお願いいたします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます