第13話
当然、僕は宮西に対してなにがあったのか聞く。この写真が本当のものなのか。どこでとったのか。
そもそも誰からもらってきたのか、など。
それに対しての返答はこうだ。
『ホントだよ? わたしが街を歩いてたらさ……ね、私も信じられないけど……』
うそだろ。信じたくない。信じられない。浮気――まがいのことだ。
けど、どうしても疑いの心がかってしまう。
僕がちゃんと偽彼氏できてなかったんじゃないのか? 僕が舞と釣り合ってなかったから――
僕が、僕が僕がぁぁ!!!
結局、3日も学校を休んでしまった。当然、朝神や京極からのしんぱいのメッセージも来る。
あいつらはまだ浮気がバレてないと思ってるだろうからなぁ!
とっくにバレてるんだよ。こっちは、お前らのせいで学校を休んでるって言うのに。
なにお前らはのうのうと心配してるんだよ。
朝神。お前、京極と付き合ってるのに僕の家に入ろうとしてきていいのか?
なぁ?なぁ?なぁ? 僕が悪いのか? は? こんなにしんどい思いをしなきゃいけないのは僕のせい?
許せない許せない許せない。
けど。だからこそ。許せない気持ちをもっと劉強くするために。
朝神の呆れたよくわからないであろう言い訳を聞かないとなぁ!
ふっ。僕のことを舐めてただろあいつ。義理っていうものを果たさなくてもいいと?
はぁ。想像するだけで呆れるね。ありえない。あんなやつと偽カップルだったなんて?
まだ一人でいたほうが幾分もマシだね。あんなやつ顔だけだろ顔だけ。
さぁ。笑いがとまらなくなるであろう、朝神との話し合いを始めようか――
______
今僕がいるのは朝神の家。今日は入りたくもない朝神の家にわざわざ行っているんだ。
そして、どんよりとした空気感の中、僕と朝神が対面で座っている。
「……ねぇ蒼。どうしたの……?」
と、顔だけはいいという特権を活かして悲しげな顔でこちらを伺ってくる。
どうしたのもなにも。事情はお前が一番知っているんじゃないのか? どうなんだ!?
って今すぐにでも問い詰めてやりたい。
けど、それは僕の性には合わないよね。……はぁ。めんどくさいなぁ。
「朝――いや、舞。今日なんで僕が怒ってるのか心当たりないの?」
あっぶない。名字で呼ぶところだった。今はまだ。今はまだ名前で呼んでおかないと。
「ないよ? ないから疑問なんだよ?」
あくまでもこいつは白を切るつもりなのか? それともなにか証拠をだしたら急に認めるタイプ?
いや、どっちにしろクズだな。ありえない。そもそもそういうことをするのがいけないんだ。
偽だから、やったらだめってことはない――いや、やったらだめなんだけど。
せめて僕に一言言ってほしかったし、今それで嘘を付く時点で屑だ。
もう許さない。
覚悟を決めた僕は、宮西からもらった証拠の、京極と朝神が手を繋いでいる写真を見せる。
さぁ? どうだ? 認める気になるのか……?
「なに!? この写真! 私は……私はこんなことしてない! 絶対に!」
なぁんだ。やっぱりこいつは認める気にはならないのか。最悪だな。
もしもここであっさり認めたなら。許しはしないけど、偽だったしな……ということでどうにか僕の気持ちも抑えられたかもしれない。
……うん? 僕の、気持ち――
いや。そんなことはどうでもいいや。それで、結局認められなかった。
ってことはもう――
______
皆様にお知らせがあります!
この作品、カクヨムコンテストに参戦いたします!
そのため、目標は読者選考を通過することです!
なので! 皆様の星やフォローでの協力が必要なのです!
どうかよろしくお願いいたします!
(僕のもう一つの作品、『氷の王子』も是非読んでいってください!)
きさらぎ
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