第4話
「っていうか、人に話しかけられなくてどうやって今まで生きてきたの?」
舞、僕の心に10000のダメージを与えた。僕のHPはもう0だ! 陰キャにそれを聞いたらおしまいだ!
「人と関わらずに生きてきましたが?」
「……私のときはあんなに積極的に話しかけてきたのに?」
( ゚∀゚)・∵. グハッ!!。いや、言い訳をさせてほしい。あのときは仕方なかったの。
だって隣に同い年の女の子が引っ越してきたんだよ? それもめちゃめちゃかわいい子。
んで、初日に僕に挨拶に来てくれた。えっ? これで話しかけない理由ある?
男なら100人中100人話しかけると思うんだけど。ちょっと下心があるけど。
それと、コミュ力アップして高校デビューっていう幻の行動をしようかな。って思ってたりもしたんだ。
結局自分にはそんなこと無理だってわかったから入学式まえには諦めてたんだけどねぇ……。
そもそも陰キャが出しゃばろうとしてるのが間違いだったんだよ。仕方ない仕方ない。
「おーい? まさか初日から狙ってたとかいうわけじゃないよね?」
「そそそ、そんなわけないだろ?」
そんなわけ……ないよな。うんうん。下心と狙ってるはまた別……。別だよね。
だって付き合おうって……あばよくばでしかおもってなかったし。今はそんな気持ちないし。
「その割には視線が気持ち悪い男のそれだったんだけど」
「すみませんでしたァァァ!!!!!」
僕、人生の中でも渾身のスライディング土下座を決行。もう学んだから。余計なことをしたら夜ご飯がなくなるって学んだから。
僕が土下座をして、舞様の許しを乞うていると、舞様、くすりと笑った。
「いいよ、別に。蒼は仲が良い友達でしょ。私と恋仲になることなんてないからね。安心して友達として接していられるよ」
「……そうだね」
「ってかさ。男ってなんなんだろうね。私の胸にばっかり視線送ってくる奴とかめちゃめちゃいたんだよね。ほんとにキモいんだけど」
正直、男たちの気持ちがわかる。というか、男たちにものすごく共感する。
仕方ないよね。目の前に素晴らしい双丘があるんだし。目が奪われるのは男の本能だと思う。
けど、本音と建前は別。
「まぁまぁ……さ。っていうか、舞がさっさと人のものになっちゃえばいいんじゃなーい?」
そう、人の彼女になってしまえば、そういう視線もなくなる――なくなるとまでは言えないけど、少しは減るんじゃないかな。
だってどう考えても自分の願いが通じないってわかってしまえば必然的に別の方向に視線向くんじゃないのかな。
って思っていったのに。舞は顔を赤くしてる。なんなんだよ……。もしかして好きな人でもいたのか? そんなふうには到底思えなかったけど。
「それって。蒼が私の偽彼氏になってくれるってことでいい?」
――なんでこんな爆弾をぶち込んでくるんですか。
僕には対処できないよ? 無理だよ。こんなにかわいい子の彼氏――いや、偽彼氏になるなんて。
クラスメイトからのイジメ待ったなし! 僕は中学校の時代には戻りたくないんだ。勘弁してくれ。
「……それは無理だよ。僕と舞じゃ釣り合わない」
「釣り合わない……。ねぇ。じゃ、私の偽彼氏になってスクールカーストあげれば?」
……だめだ。こんな誘いに乗ったらだめだ。僕はあくまでモブ――いや、モブ以下だ。
そんなやつとクラスと中心になるやつが付き合う? なにそれどういうラノベだよ。
それに、付き合ってることを利用してクラスの中心になるなんて……いやだね。僕のプライドが許さない。
それにさ、
「舞。舞が僕といっしょにいじめの標的になるかもしれないけどいいの?」
これが一番心配なんだよね。僕はいじめに耐えれ――いや、耐えた経験がある。
けど舞は? そんなんされたことないだろう。したこともないだろうから、しんどさなんてわかるはずがない。
だめなんだよ。僕とおんなじ領域にこさせちゃ。
「うん? 私が笑顔でそいつのこと潰すけど?」
「アッハイさいですか」
「だからさ……? 私の偽彼氏になってよ。もちろん、周りには本当に付き合ってるって公表して。ね、いいよね? ――もし断ったら夜ご飯、どうなるかわかるよね」
「わかりました。この八神蒼、舞様の偽彼氏にならせていただきます」
「よろしい」
またやってしまった……。夜ご飯に負けた。
……ごめんね。舞。同い年の連中って、舞が一人で何とかできるほど優しくないんだよ。……高校生になったし改善されてると信じたいけどね。
今回もまた夜ご飯を盾にしてきたから断れなかったけど。
許してね。これは――舞から始めた物語なんだからね。
______
以上で第一部、第一章、第一節が終了です!(長いな笑)
こっからの展開に期待だぁうおお!! という方はフォローや星をつけていただけると……如月が狂ったように喜びます!
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