お仕置2


何がヤバいんだろうって思った時、止まっていた手がまた動き出してしまって、そんな事考える余裕なんて取り払われてしまう。


さっきよりも明らかに激しくなった手つきに、私は訳が分からないまま切なく喘がされる。

「あぁ……っ!」


余裕なんて、そんなのほぼ残ってない。


抗いたい位の快感なのに全く抗えない。


最悪な事に終わり知らずの快感はどんどん膨張して、頭も体もおかしくなる。


「あっ、はあっ、あぁ⋯⋯!!」


もう『漏れる』とかじゃなく、完全なる喘ぎ声に変わってしまった私の声。


でも、もうそんな事なんて全く気にならなくなっていた。

それ所じゃないから。


的確な手の動きにベットの上で踊らされ続ける私は、昇りつめる何かに抵抗していた。

何かが来る。

そんな未知の感覚に恐怖を感じ、身をよじって抵抗する。


「あ、あ……やだやだ、もう……だ⋯⋯」

腰が勝手に動いて、何かを掴みたくなった手は、すぐ横にあったシーツを強く掴む。




ーー次の瞬間、自分の身体は勝手に大きく弓のように仰け反った。

「ああっ……」


その直後、うめき声が出た私は、人生で初めての絶頂を味わった。


目の前がチカチカして全身が勝手に大きく痙攣けいれんしたあと、やっと戻ってきた思考で驚愕きょうがくした。



私の経験人数は3人。


男のロマンなのかなんなのか分からないけど、過去の3人はみんなイかすことにこだわっていた。


動画の情報やネット記事で得た知識で、私の体は実験台のように扱われる。


その荒い手つきが痛くって逃げ道として『イクふり』を覚えた。


元々苦手だったセックスも、演技をすればする程、更に嫌いになっていった。


それが原因なのかは分からないけど、

みんな長くは続かなかった。


でも、イク事には興味がないことは、なかったんだけど⋯⋯


「ま、って⋯⋯、もう」


肩で息をする私に、アキラは息を整える暇さえ与えてくれない。



まだイッているのにその手を止めてくれないから、ずっと痙攣けいれんがおさまらず、また跳ねた。


人生で初めての絶頂は想像と違って、快感を通り越して苦痛にも似た感覚だった。

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