お仕置

お仕置1


お姫様抱っこから雑に降ろされた先はフワフワで大きなベッド。


アキラがこういう事を私にするなんて、未だに信じられないけど、この後がどうなるのかなんて嫌でも分かってしまう。




でも、私は逃げなかった。


写真という足枷あしかせがあるから。



アキラはズルい。


そして最低だ。





どうせなら早く終わってくれ。


そう目をつむって願いながら下唇を噛んでいると、私が着ていた服は器用に次々と脱がされて行って、やっぱり本当にするんだって驚く自分がいる。


私の温もりをまとった衣類はベットの下に雑に落とされ、あっという間に下着だけになってしまった。


「待って」

ブラのフロントホックに手を掛けようとした時、思わず止めてしまう。

さっきまでは覚悟を決めていたのに、急に不安を感じてしまったから。


「部屋は暗いけど、全部脱がされるのは……」

戸惑いながらそう言うと、薄暗い中で色気をまとったようなアキラが私を見る。

「手ぇ邪魔」

ブラを押さえていた手を掴まれ避けられるとパチンと音が鳴って、圧力から解放される感覚がした。



そしてまた唇に熱が伝わった。

「んっ」

キスをされると、また溶け始める思考。


そんな状態で弄られると、私の体は驚くほどに過剰反応をした。


触られる所は酷く熱くなって、そして敏感になる。


甘い痺れが指先にまで広がっていく。


「んぁっ……」

唇が離れた瞬間に漏れた自分の声は、余りにも甘ったるくて慌てて口を押さえた。


何!?今の。



こんな声が出るなんて初めてで酷い羞恥心を感じた。

穴があったら入りたいくらい。


私の身体からだはどうしてしまったの?


さっきから余裕なんてコレっぽっちも持てない。

いつもなら、こんな事には絶対にならないのに。


私はこんなはしたない声なんて上げたくないのに、上げずにはいられない快感に下唇を噛んで我慢をする。

「んっ、……」

「おい!噛むな」

そう言うと口に親指を突っ込まれて噛めないようにこじ開けられ、突っ込まれたアキラの指が口内に侵入する。

そのせいで、馬鹿みたいに甘い声が漏れてしまう。

「はぇ……あっ」


余裕が無いのが恥ずかしい。


さっき逃げないって決心したけど、こんなのもう無理。

そう思って逃れようと抵抗するも、アキラの腕は私を掴んで逃がしてくれない。


アキラが私をおかしくする。


「アっ、アキ、ラ……やめ……」

諦めずに力の入らない手でアキラの腕を止めようとするけど、やっぱりそんな行動は意味がなく、逃げられない快感は背筋を通っていくらでも流れてくる。


「あぁっ」


得体の知れない何かが来てる感覚に、大きな不安を感じて涙で視界が揺らいだ。


「も、もう……気持ちいいの……だめぇ……」


思わず出てしまった恥ずかしすぎる私の言葉に反応したアキラは、ピタッと手を止めた。


なんで止まったのかは分からない。

でも止まった事にホッとすると、おおいかぶさったままのアキラは眉を寄せて片手で顔をおおう。



そして、

はーっと、めちゃくちゃ長いため息を吐くと、アキラはつやっぽくささやいた。


「遥……それ、やばいから」

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