第38話 子ども扱いはイヤ◆side琴菜◆
今日は、私達のほうが先にプールにきた。
『
よーくん、どうしたんだろう……
『こんにちは、ことちゃん、
『「うん。行ってくる」』
『遅くなってごめんね』
授業後、パウダールームでヒマちゃんが聞いてきた。
『ねえ、こーちゃん、芳にぃがこーちゃんちに泊まったんでしょ』
「うん」
『どんなことしたの?』
「私が描いた国営……お花の公園の絵を見てもらったり、寝る前に本を読んでもらったり、私のアルバムも見てもらったり、お風呂に一緒に入った」
『芳にぃ、シャンプー上手でしょ』
「ヒマちゃんも一緒に入ったことがあるの?」
『赤ちゃんのときから一緒だからね、何回もあるよ。もう入んないけどね』
ちょっと残念だけど、私が生まれる前だったから……
『一緒に寝た?』
「よーくんに腕枕してもらって寝たよ」
腕枕してもらったのは2回目だけど、とっても嬉しい気持ちになる。
ヒマちゃんもよーくんに腕枕してもらったことあるのかな?
「ヒマちゃんは、よーくんに腕枕してもらったことあるの?」
『うん、あるよ……ねえ、ちゅーした?』
「え、ちゅー……ちゅーはしてない」
ちゅーしたいと思うけど、恥ずかしい……
よーくんはヒマちゃん可愛がってたのよね。ヒマちゃんがよーくんとちゅーしたことがあったらどうしよう……
「あのね、ヒマちゃんはよーくんとちゅーしたことがあるの?」
『したことないよ……って安心した?』
「……うん」
良かった。
『芳にぃはね、今でもヒマのこと赤ちゃんだと思ってるみたいで、ヒマとちゅーするとかに関心がないみたい。ヒマも芳にぃとちゅーするつもりはないけど、赤ちゃん扱いは面白くないよ』
よーくん、ヒマちゃんのこと赤ちゃんだって思ってるんだ。
わたしのことをいつまでも幼稚園児だと思われるのもイヤだな。
『芳にぃは、お兄ちゃんモードとか言ってるけど、こーちゃんだっていつまでもちっちゃい子じゃないんだから、“私子供じゃない”って言ったほうがいいかもね』
『うん』
キッズコーナーに出てきたら、ママとよーくんがお話ししてる。
『芳幸くん、残念なお知らせがあるのよ』
『え、なんですか?』
『
『
『確かに残念ですね。晶ちょっとおいで』
『何、芳にぃ?』
晶くんと桃ちゃん、一緒に歩いてくる。仲良さそうなのにかわいそう。
『せっかく仲良くなったのに残念だけど、桃ちゃん、お引越しするんだって』
『知ってる、桃ちゃんが教えてくれたよ』
『「え!」』
『僕、ガールフレンドいるから平気だよ。
『桃ちゃん平気だよ。すぐボーイフレンドできる』
え!!
『江梨さん……』
『全然心配しなくていいみたいね。これも時代かしら』
『そうですね。僕らの時代のボーイフレンド、ガールフレンドと、今のボーイフレンド、ガールフレンドは違うんでしょうかね?』
「よーくん。」
『ああ、ことちゃん。聞いてた? 心配したけど晶も桃ちゃんも大丈夫みたいだったね』
「桃ちゃんね、赤ちゃんの頃はとっても寂しがりやで、桃ちゃんのママや
『成長したんだよ。いつまでも赤ちゃんじゃないよ』
ヒマちゃんを赤ちゃん扱いしてるくせに……私のことはどう思ってるのかな?
「ふーん、私は?」
『え、ことちゃんは……成長したと思うよ』
「どんなところが?」
『えっと、最初、チョコをちょうだいって言ってた時は緊張してたけど、今はいつも笑顔だよね』
「……うんありがとう」
他のことは……まだいいや。
『ところで写真どうだった?』
「よーくんが私にくれたアルバムは、机にしまって寝る前に見てるよ」
写真を見てると、よーくんとお話ししてるような気持ちになるよ。
『僕は、パソコンの壁紙に設定してるんだ。いろいろな写真が10分毎だったかな、切り替わっていくんだ。だから、パソコンを使うときはいつもことちゃんと一緒だよ』
「本当、うれしい。ね、どの写真が良かった?」
『みんないいんだけど、やっぱり菜の花のところでのツーショットが良かったかな』
「うん。みはらしの丘にあった鐘のところで撮った写真もいいと思う」
『ああ、あれね。あれはみはらしの鐘って言うんだって』
「いい音だったね」
『こーちゃん、帰るわよ』
「あ、ママが呼んでる。よーくん、またね」
『ことちゃん、またね』
今日も、写真を見る。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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私は、吹雪(艦娘)、飛行機(ボーイング747-200、F/A-18、C-5Mスーパーギャラクシー)のコックピット、太陽系家族写真のほかゲームの箱絵などです。
今、この瞬間はドラゴンクエスト3(第1作)の箱絵ですね。
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