第15話 ふたりが結ばれた日
綺麗な指が、そしてトキの指より少し太いそれが、ゆっくりとねっとりした入り口へ入っていく。
「〜〜〜!!」
トキは、異物感に不思議な感覚を得ていた。何度目かの慣らし。少しずつ腰の動きや大切な場所の疼きも利用されている。
いつものように愛撫してもらい、溢れ出た雫を潤滑油に愛しいクロキの綺麗な指が自分の中に入ってくる。
クロキのものも触らないといけないのかもしれない。
しかし、シノブは必要ないと言う。どうかクロキ様を信じて、と。
こんなに淫靡な生活を送っていいんだろうか。
ふたりで結婚前に文通をしたことを思い出し、胸がキュンと締まると。
「中が、締まったぞ。何を考えた?」
「あっ、ごめ、なさ、あ、あ、だめ、動かさないで、かんじちゃ……!」
「今日はまた二本からだ」
ああ!
クロキの綺麗な指が足されて、自分の中でうごめく。
やがて、出し入れされる。
ぴちゃぴちゃといやらしい音がトキは苦手だ。なぜなら、
「響けば響くほど、濡れてくるな」
クロキには全てお見通しだからだ。
舌でも舐められる。
「いやっ、クロキ様の指が、すき、です」
遠回しにおねだりも覚えた。
今夜は新月で明かりもない。蝋燭もガス灯もついていない。この孤城の者には毎夜若い二人が睦み合っていることなどお見通しだろう。
「クロキ様」
「クロキでいいと言っているだろう」
「あっ、ごめん、なさ、そこ!うえだめえ、こすっちゃやあ!!あああ!!!」
そこで力尽きる。
「トキ。今夜こそ、挿れるぞ」
暗闇でクロキ様がうごめく、
「あ、だめ、クロキ様、入らない……」
「なんとなくわかってきたか。でも、もう一ヶ月以上、あの初めて会った日から待ったんだ。充分ほぐした。楽にしろ……」
「あ!」
かたいものが当たる、と同時に、入り口を擦られて気持ちが良くなってしまう。ここも弱い。
全部クロキ様が見つけた場所で、私が感じてしまう場所。しばらく擦られて腰がガクガクする。
「クロキさま、あぁ!」
「……欲しいか?トキ?俺を受け入れてくれるか?」
「んっ、私は、クロキ様の妻です、なんなりと」
「そうじゃない、俺たちは、これから……」
「指だけじゃ、もう、だめです……」
「わかった、ここだな……」
「ああ……ッ!」
腰が上がりそうになる。
クロキ様と繋がる!
「ッ!トキ、きつい!……」
「おおきくて、わかんな、」
「くっ」
クロキはすぐに達しそうになり、一度抜こうとするが。
「いや、クロキ様、いたい!」
「トキ……!ゆっくり抜く」
「いや、抜かないでえっ」
トキは初めて接した時と同じように泣いていた。
たまらずにクロキがトキにキスをする。はじめて舌を口内に入れる。最初は戸惑ったトキも、上と下の満たされた感覚に痺れてきた。また濡れてきたのだ。
そうして、潤いの中、クロキはトキに包まれながら奥へと進めた。
知り合って一ヶ月程、初めて二人は結ばれた。
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