第14話 まだ好きだと言ってない

クロキの城に来てから毎晩のように責め立てられる。月のものが来れば解放されるが、その間、クロキはただの元王族なのでやることがないらしい。領地の見回りや作物の出来などや村人たちの意見を聞くことなどはしない。ならどうやって生活しているか。両親の遺してくれたお金とハーブ園のハーブを売って、時に馬で遠出をして、また帰ってくる。

本人は特大のやりたいことがあると言っているがなんだか教えてくれない。

ある日、入浴を終えて、クロキを待っている自分に気がついた。

実は、どういうものかは分からないが、クロキと心も体も繋がりたいとトキも思い始めていた。そして、なにより、大切な場所を撫でられるだけでは物足りなくなってしまっている自分がいるのだ。

(どんなことをするんだろう)


ある夜の事、とうとう、トキはクロキに虹色の茶のことを聞いてみた。老人たち、と水の国の人のやっていることには驚いたが、あの時無理やり抱かずに堪えてくれたクロキに感謝したらいいのか、誰にどう怒りをぶつければいいのか分からなかった。


今夜もまた、クロキは来てくれるだろうか。まだ十六歳。もう十六歳だと、どちらも思う。それが、同い年のクロキと裸でいやらしいことをしている。そういった点で、シノブさんにも相談しているが、

「ご主人様は優しいので、トキ奥様が大丈夫なら大丈夫なのです」

とのこと。

今夜、大丈夫にしてみようか。

そういえば、いままで嫌いかどうか聞かれたり、近づいていいか聞かれたりしたが、お互い一度もお互いのことを好きだと言ったことがない。

気がつけば、クロキが与えてくる快感の虜になっていたのだから。

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