番外編 ポンコツ営業ズ in 某魔法魔術学校
ここは、ホグ〇ーツ魔法魔術学校。
理屈と理由はさておき、普段は現実世界の社会人として頑張っている営業4人組が、これまた不思議なことにホグ〇ーツの1年生として入学することになったようです。
――組み分けの儀式にて。
「わー、澤山サン見てくださいよ、アレ。頭の中を勝手に読んだ挙句、人生の選択肢を大幅に狭める決定を、本人の許可無くやっちゃうことで有名な、某帽子ですよ」
「やめて差し上げろ安保。帽子さん涙目だろ!」
「帽子に涙流す機能あるんすかね、ちょっと試してきます」
「何でそんなに帽子へのあたりが強いんだお前!!」
組み分けで救うことのできた命ってあったと思うんすよね、と、安保は語った。
組み分け~澤山の場合~
「何か、管理職研修に参加するときみたいな、妙な緊張感があるな……」
「――ふーむ、部下想いで優秀、時折口が悪くなるが、それも愛情の裏返し。なるほどなるほど。思いやりと愛に溢れている君は――、グ〇フィンドォォォォォール!!」
「やだこれスゲー恥ずかしい」
「流石澤山さん!! 一生着いていきます!」
「馬路、声が大きい止めてくれ……」
組み分け~馬路の場合~
「澤山さんがグ○フィンドールですし、ぜひ私も!」
「――ほうほう、君は非常に真面目だ。一度決めたら何事もやり通す頑固さもある。ふむ、理知的であることを目指している君は――、レ〇ブンクロォォォォー!!」
「くっ…! 残念ですが、決定には従わなければですね…」
「……理知的であることを目指している(理知的であるとは言っていない)」
「安保さん、シーっ!です!」
組み分け~土師の場合~
「あの、寮までの道のりが安全な所でお願いします……」
「――うーむ、何事にも一生懸命だが、厄介な血の呪いを継いでおるな」
「急に不穏なんですけど?!」
「まぁ、命に別状はなかろう。それに、呪いのお陰で強い忍耐力が身についておるな。うむ、君は――、ハッ〇ルパフ!!」
「が、頑張ります!」
「(血の呪いって、土師のドジ体質のことか…?)」
組み分け~安保の場合~
「はい、はよ組み分けて」
「――うむ、スリザリン」
「……理由は?」
「スリザリン」
「そういうところが気に入らないんスよクソ帽子!!! せめて!! 理由を!! 言え!!」
「いだっ! その行動が、スリザリンを物語っておるであろう!!」
「安保さんマズイですよ! 帽子裂けちゃいます!!」
「それ滅茶苦茶価値あるものですから! 安保さんとりあえず手を放して!」
「安保ぉ! 一旦おちつ、あー、もう! 『ペ〇リフィカス・トタルス』!!」
「ふがっ」
窓から差し込む朝日に、思わず目を細めた。机に突っ伏したままだった体を起こして、安保はグッと背伸びをする。――どうやら、昨日ゲームをしたまま寝落ちしてしまったらしい。テレビに映っているのは、某魔法の世界を体験できるゲーム。習得したアイテムと魔法の組み合わせを試しているところで、眠気の限界が来たのだろう。
「……よーし、今日も定時で上がって続きやろーっと。早くクリアしなきゃ」
何か、楽しい夢を見た気もしたが、それも会社に着くころにはすっかり忘れてしまったのだった。
「くぁあ……」
「眠そうだな、安保。どうした?」
「いえ、全部ラン○クが悪いので……」
「なんて??」
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