大福ふくふくふくちゃん1福め🍧

夢月みつき

第1話・1福「ふくりんとあんずおばあちゃん」

「大福ふくふくふくちゃん」表紙

https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16817330663007684365


1. ふくりん

スイーツ妖精村の大福妖精族の男の子。いつも元気いっぱい。

ふよふよもち肌の7歳。



2. あんずおばあちゃん

駄菓子屋のおばあちゃん。

いつも温和で駄菓子屋に来る、子供達を迎えている。


3. ショートケーキ妖精族の親子

ショートケーキ妖精族のお母さんと4歳の女の子。

近所に住んでいるらしい。


🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛


ここは、自然豊かなスイーツ妖精村。この村には、元気な大福妖精族の男の子。

柔らかもち肌のふくりんが住んでいる。




今日は猛暑、ふくりんは、町の小さな駄菓子屋にアイスを買いに来ていた。

ふくりんは、お店の引き戸を、ガラガラと音をさせて開けた。

「おばあちゃん。アイスちょうだいふく~!」


可愛らしいあんずのおばあちゃんが、背もたれのある椅子に座っていた。

あんずおばあちゃんは、ふくりんを見ると、しわしわの人のよさそうな顔をほころばせてにこりと笑った。


おばあちゃんは、杖を突いてどっこいしょと、ゆっくり立ち上がる。

「あいよ~。ふくちゃん。今日は何がいいの?」

おばあちゃんは、杖を突きながらゆっくり、外に置いてあるアイス用冷凍庫の所に行った。


「あのねえ。今日は、ふくのような、白いお餅の中にアイスが入ったのが食べたいふく~」

「大福アイスだね。162かんだよ。」


ふくりんは、カエルの形のお財布からちょうど、162甘をおばあちゃんに払う。

あんずおばあちゃんから、アイスを受け取ったふくりんは、おばあちゃんに手を振った。


「ありがとう。帰るふく~」

「あいよ。気をつけてね」




〇〇〇


「ふう、暑いの……。ふくのお餅も溶けるふく~」

家まで、ぽてぽて歩く。日陰のある木の下に入り、座りこんだふくりんは、アイスが溶けてしまうので家まで、待ちきれずに途中でアイスのフタを開けた。



中には、ひんやり冷たい。白いお餅の大福アイスが2つ入っていた。

「ふく~……。おいしそうふく~。」


ふくりんは、愛らしい笑顔で、大きな口を開けて二口でアイスを食べた。

「ん~。冷たくて甘くて、おいしいふく~」

ふくりんは、頬を染めてうなった。




その時、道の反対側から母親らしき女の人と小さい子供が歩いて来た。

ショートケーキ妖精族の親子だ。


4歳くらいの女の子が、ふくりんの前で足を止めるとふくりんのアイスを、物欲しそうに見て言った。

「おいしそうな、アイスだね。おにいちゃん」

お母さんは「だめよ。後で買ってあげるから」と言ったが。


ふくりんは、そんな女の子を見てにぱっと笑った。

「うんっ、とっても、冷たくて甘くておいしいよ~。」

と女の子にちゅうちょなく、ひとつ残っていた。


アイスにプラフォークを刺して、容器ごと差し出した。

「冷たくて、おいし~!」

女の子は、大きく口を開けて嬉しそうに食べた。

お母さんは笑顔で、すまなそうに言う。


「ごめんなさいね。ありがとうね。僕のお名前は?」

「ふくりんふく~」

ふくりんは、元気よく返事をした。




ふくりんは、女の子のお母さんに、先程のおばあちゃんのお店でアイスを買ってもらい

女の子と2人でベンチに座って、仲良く並んで食べた。


「おいしいね。おにいちゃん!」

「一緒に食べると、とってもおいしいふく~!」

ふくりんと女の子は、顔を見合わせにっこりと笑った。



〇おわり〇


🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛

最後までお読みいただきありがとうございます。

レトロチックなふくりんのお話でした。

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